(※写真はイメージです/PIXTA)

長年自営業を営んできた夫婦。定年後も投資収入で安定した生活を送っていましたが、夫の死後、妻は遺族年金を受け取れないことが判明し、老後の生活設計の難しさを痛感することに。

自営業で築いた二人三脚の生活

田中雅子さん(仮名)は、夫の隆一さん(仮名)と共に長年にわたり自営業を営んできました。夫が事業の中心として動き、雅子さんは経理担当として夫を支える二人三脚の生活。二人の努力の結果、事業は順調に成長し、夫婦は60歳で定年を迎えました。

 

自営業であったため、夫婦は厚生年金には加入していませんでしたが、国民年金を受給していました。また隆一さんは投資にも積極的で、株式などの投資商品からの収入も得ており、老後の生活は経済的に安定していました。

 

定年後の二人は、体が元気なうちにと、趣味の旅行を満喫しました。国内外の様々な場所を訪れ、新しい文化や景色を楽しむ日々。特に海外旅行が好きで、ヨーロッパやアジアの国々を訪れては、その土地の美食や歴史的建造物を楽しんでいました。

 

また、子どもや孫たちとの交流も大切にし、家族団らんの時間を大切にしていました。定期的に家族が集まり、楽しい時間を共有することが、二人の喜びでした。

 

しかし、隆一さんが88歳を迎える頃、突然その幸せな日々は終わりを告げました。元気だった隆一さんが予期せぬ病で急逝したのです。長年連れ添った夫の死は、雅子さんにとって大きな衝撃と深い悲しみをもたらしました。

 

悲しみの中でも、彼女は様々な手続きを進める必要がありました。銀行口座の名義変更、各種保険の手続き、そして遺族年金の申請です。

 

雅子さんは遺族年金の申請をしようと、年金事務所へ向かいました。しかしそこでまさかの現実に直面することになります。

 

遺族年金の受給条件には、一定の収入がある場合には支給されないという規定があります。雅子さんには投資商品などからの収入があるため、遺族年金を受け取ることができないことが判明したのです。

 

「これまで頑張ってきたのに…」雅子さんはその場で顔を曇らせました。自営業として懸命に働き、定年後も豊かに暮らせるようにと夫と共に計画してきたはずが、遺族年金という重要な収入源を得られなくなるとは…。雅子さんは、夫の遺志を継ぎ投資を続けることを考えていましたが、それがかえって遺族年金の受給を妨げることになったのです。

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