(※写真はイメージです/PIXTA)

部下の指導に悩み、苦労しているビジネスパーソンは多いでしょう。1on1などのミーティング時の返し方ひとつで事態が思わぬ方向へ行ってしまうこともあるため、言葉選びには注意が必要です。本記事では、部下のなかでも「女性」に焦点を当て、円滑なコミュニケーションをとるために注意すべきことを、アナウンサーであり、女性社員が中心の企業を経営する樋田かおり氏が解説します。

安心感を持つと女性は活躍する

頭がいっぱいになる理由は、誰かに怒られた、家庭でショックな出来事があった、人間関係で心配なことがあるなど、人によってさまざまです。男性上司にとっては「そんなことで?」と感じたり、「仕事ではやるべきことをやってほしい」と思うかもしれません。

 

しかし、筆者がたくさんの女性メンバーと働くなかで実感するのは、女性はこうした心配事への不安が仕事のモチベーションやパフォーマンスにも影響しがちだということです。

 

そのため、まずは相手が安心できる状態にすることが必要です。女性は共感できる仲間がいる、頼れる上司がいるなど、安心感を覚えることで、能力を発揮するからです。

 

筆者の経験では、こんなことがありました。商談に出かけていた女性部下がひどく落ち込んだ顔で帰ってきました。「先方に怒られました」「私がダメダメで……」と頭がいっぱいの様子です。上司である筆者にも怒られると思っていたようで、目も合わせません。

 

そこで、商談でなにがあったのか、そのときどう感じたのか、1対1でじっくり話を聞くと、少しずつ落ち着いてきました。その後、職場のみんなにチョコパンを買って差し入れしたところ、彼女もそれを食べながら元気を取り戻しました。そして自ら顧客に再度アポイントを取り、後日挽回することができました。

 

不安な気持ちを吐き出したこと、職場の仲間とホッとできる時間を過ごしたことで安心感を覚えたのでしょう。

 

一方、心配事を相談したときに上司に冷たくあしらわれたり、理詰めされたりすると、「あんな上司、もう嫌い」と女性部下が感情的になってしまうこともあります。冒頭の同期女性たちに「Aさんが私を追い詰めた」と告げた女性はまさにそのような状態だったのでしょう。また、「相談してもどうせ理解されない」と思い込み、そもそも、男性上司には相談できないという女性も多いです。


男性脳は論理性を重視し、女性脳は感情に重きを置くと言われます。女性は共感や感情を重視する人が多いことを知ったうえで、日ごろから関係性を築き、いざというときは心配事に共感しながら耳を傾けることが大事です。
 

 

樋田 かおり

株式会社トークナビ

代表取締役/アナウンサー

 

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