(※写真はイメージです/PIXTA)

いつの時代もなくならない相続トラブル。「もっとはやく対策を始めていれば…」という声は尽きません。本記事では、実際に起きたトラブルを紹介し、相続対策の重要性について解説していきます。

お金巡り激怒「自分が何言っているかわかってるの⁉」

兄弟姉妹(甥・姪)以外の相続人に、最低限保障された相続財産の割合のことを「遺留分」と呼びます。たとえ遺言を残していたとしても「納得いかないので遺留分を請求します」と相続人の誰かが遺留分侵害額請求をすれば、よもや裁判沙汰です。

 

本事例では母親の子どもたちが相続人であるため、代襲相続人の孫にも遺留分は発生します。長女の言い分に理解を示せる面はなきにしもあらず……ですが、この権利を長男の妻が知っていたら、また結末は変わっていたかもしれません。

 

実際に遺留分侵害額請求権を行使した事例が下記になります。長男が遺言書の内容に猛反発、長女のヒロコさん(仮名)に大声を出し……。

 

“「ちょっと落ち着いてよ! お母さんの字で、ハンコも押してあるじゃない! 共謀してるなんて信じられない。自分が何言っているかわかってるの⁉」

 

「こんなもの認められない。無効だよ無効!」

 

こうして長男は遺留分(今回の場合、民法上では実家の1/4が長男の持ち分)をヒロコさんに請求(遺留分減殺請求)したのです。

 

ヒロコさんはすぐに弁護士に相談し「遺留分を渡したくない」と伝えました。しかし、争っても勝ち目がないと弁護士に諭され、しぶしぶ応じることにしたのです。遺留分は現金で精算しました。”(2020/10/1 江幡吉昭氏 幻冬舎ゴールドオンライン連載『駅3分の空き家めぐり…63歳長男「嘘だろ!?」亡母の遺言に絶句』)

 

これまたドロ沼。遺産争いとは結局「お金の取り合い」なわけですから、結末がどうであれ、その過程は苦しいものになります。

 

遅かれ早かれ起こる「相続」。たとえ今家族仲に問題がなかったとしても、お金が関わるとその関係性は容易に揺らぐものです。致し方ないことである以上、いつ何があっても問題ないように、事前の対策が求められます。

 

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