(※写真はイメージです/PIXTA)

「下流老人」「老後破産」…なんとも辛い言葉が多くなった昨今。老後に必要なお金、貯められていますか? 厚生労働省年金局発表『令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』などをもとに解説していきます。

「現実はそんなに甘くなかった」55歳男性の悲鳴

現在、年金を受け取れるのは原則65歳からですが、繰上げ受給(=受給を早めること)と繰下げ受給(=受給を遅らせること)に関する論議も活発になっています。年金受給予定の現役世代にとっては「年金だけでは老後の生活費が賄えないから、足りない分は働いたり、投資で増やしたりしてください」と言われているように感じられるかもしれません。

 

55歳の吉田さん(男性・既婚/仮名)も、老後不安に悩む現役世代の一人。現在貯金は2,200万円、投資信託を主とした金融資産を500万円ほど所有しています。住宅ローンはあと5年で完済予定です。

 

「金融資産500万円は親から受け継いだものです。私自身、あまり現金に換算する気はなく、我が子に遺そうと思っています。貯金は2,200万円ありますが、正直老後は心配でなりません」

 

「自営業ですから、年金に関してはあまり期待していないというか、諦めている節があります。妻も長い間専業主婦をしていましたし。その分、貯蓄は若いころから意識的に行っていたのですが……」

 

「『老後2,000万円問題』が話題になったとき、絶望しました。2,000万円は最低限、ゆとりある生活には『3,000万円』必要だと。長かった道のりに目途がついたと思っていたのに、現実はそんなに甘くなかった」

 

「子どもは今24歳です。もう家を出ていて、日々の暮らしには困っていないようですが、何かあったら援助はしたいし、結婚資金だって渡したいんです。でも、我が子にお金あげた結果自分たちが困窮して、子どもに迷惑をかける……なんて事態になってしまったら、元も子もないですよね」

このまま老後を迎えて大丈夫なのか?国の対策は?

厚労省は対策の一つとして「高齢者や女性が働きやすい社会をつくり、経済を活性化させる」と述べています。


“2019年に行った財政検証では、女性や高齢者の労働市場への参加が進み、日本経済が成長していけば、将来のモデル世帯の所得代替率はおよそ50%という結果になっています。


女性や高齢者が安心して働ける社会にしながら、日本経済をより良くしていくことが、将年金の将来の水準を確保することにもつながります。”

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※本記事のインタビューではプライバシーを考慮し、一部内容を変更しています。

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