(※写真はイメージです/PIXTA)

契約書には「違約金」に関する定めが記載されていることも珍しくありません。しかし、違約金が事業活動や人生そのものに多大な影響を与えるくらい高額だった場合、交渉の余地はないのでしょうか。本記事では、クリエイティブ分野に特化したリーガルサポートを行っている弁護士の宇根駿人氏・田島佑規氏による著書『クリエイター六法 受注から制作、納品までに潜むトラブル対策55』(翔泳社)から一部抜粋して、高額な違約金によるリスクを避けるコツについて解説します。

予防策

違約金に関する定めは今後の活動の大きな妨げになるおそれもあるため要注意

契約書が提示された際には、まずは内容をしっかりよく読んで、理解することが重要です。もし理解できないところがあれば、ためらうことなく先方の担当者に聞きましょう。

 

契約書の内容に理解できない部分があることは何ら恥ずかしいことではありませんし、本当は先方の担当者だってよくわかっていないことも多々あります。

 

他には、同業の知人・友人、ときには専門家に聞くことが考えられるでしょう。そのうえで、特に違約金や競合他社からの案件受注禁止など、目の前の業務だけではなく、今後の事業活動に多大な影響を与える可能性がある内容については、積極的に交渉を行い、合理的に受け入れ可能な内容に修正してもらうことが特に重要です。

 

前述の通り、違約金についてその内容や金額が著しく不合理であるような場合には、裁判などにおいて争えば全部または一部が無効と判断される可能性はあります。

 

しかし、裁判を行うまで、違約金の定めが有効か無効かわからないという不安定な状態自体がトラブルの種です。事前に交渉して、契約書の修正や削除を求めることが望ましいでしょう。

 

■ワンポイントアドバイス

 

違約金は「損害賠償額の予定としてのもの」と「損害賠償額に加えて違約金額も支払わないといけないもの」の2種類あります。後者は、契約書において「損害賠償とは別に違約金を支払うものとする」旨や「違約罰」などとして表現されていることがあります。もちろん後者の方が多額の金額を支払う可能性があるので、より慎重な検討が必要です。違約金や損害賠償額については、対応策に記載の通り慎重に検討し、受け入れ可能な内容にできるよう積極的に交渉を行うことが重要です。

 

 

宇根 駿人

大道寺法律事務所

弁護士

 

田島 佑規

骨董通り法律事務所

弁護士

 

クリエイター六法 受注から制作、納品までに潜むトラブル対策55

クリエイター六法 受注から制作、納品までに潜むトラブル対策55

宇根駿人・田島佑規

翔泳社

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