金額をはっきりと決めないまま受注した
類似のケース
●業務範囲をはっきりと決めないまま受注した
● ふわっとした予算感だけ伝えられて案件がスタートした
相談事例
金額を決めずに着手したけど、これっていくら請求できるの?
デザイナーであるXさんは、知人から「デザイナーを探している人がいる」と、つい先日起業したばかりのZさんを紹介されました。
早速打ち合わせを行い、Xさんは、Zさんから「先日、環境問題の解決に取り組むスタートアップ企業としてY社を設立した。ブランディングも含め企業イメージやデザインに統一性をもたせたいので、Y社のクリエイティブディレクターとして中長期的にお付き合いできるデザイナーを探している」という旨の話を聞かされました。
Xさんは、クリエイティブディレクターとしての経験が得られることや、中長期的に案件が続くのであればぜひやりたいと考えたことから、前向きに検討したい旨の返事をしました。
すると後日、Zさんから契約書が送られてきました。契約書には、「XにY社のクリエイティブディレクターとしての業務を依頼すること」「契約期間は3年間。ただし双方1カ月前までに予告することで契約を解除できる」「報酬については別途協議のうえ決定すること」が記載されていました。
また、Zさんから報酬について「月額報酬を考えているが、国に対して補助金を申請中であるため、具体的な金額は補助金額の決定後に別途協議のうえで定めたい。もちろん、それ相応の金額はお支払いする」旨の説明がなされました。
この案件を逃したくないと考えていたXさんは、Zさんの気が変わる前に必要な手続きを済ませたいと考え、速やかに契約書にサインを行いました。
その後、Zさんから「まずはWebサイトとロゴ・名刺デザインをお願いしたい」と言われたため、早速デザイン制作に取りかかりました。
2カ月後、無事にロゴ・名刺をデザインし、納品しました。さらに、Webサイトのデザインについても完成させ、公開間近の段階にまで至った頃、Zさんから、「Y社に対して補助金が下りなかった。大変申し訳ないが、クリエイティブディレクターの件はなしにしてもらいたい。これまでの作業分については支払いたいと思うが、なにせ想定外の事態で予算がなく、5万円で勘弁してもらいたい」旨の連絡がありました。
通常の案件であれば、少なくとも30万円程度は請求する作業量であり、5万円などという金額では到底納得できず、Xさんはどう対応すればよいか悩んでいます。