「政府主導の底上げ」に期待できるか?
賃金の改定を実施、もしくは予定している企業について、最も重視した要素をみると、「企業の業績」が36.0%と最も多く、「労働力の確保・定着」が16.1%、「雇用の維持」が11.6%と続きます。
ちなみに東京都に限って見ると、令和4年7月の全常用労働者の平均賃金は、所定時間内賃金が「36万3,904円」、所定時間外賃金が「3万2,453円」、合計で「39万6,357円」でした(平均年齢42.9歳、平均勤続年数11.1年)。労働組合がある企業は、ない企業と比べて所定時間内賃金が「1万8,386円」高くなっています。
各国の平均賃金が右肩上がりで上昇するなか、ほぼ「横ばい」を30年間も続けてきた日本社会。昨今は若干の上昇も見られるようになったものの、同時に社会保険料が増加していくため、「手取りとしてはたいして変わらない」、実質賃金は下降しているのが現実です。
政府主導の改善にも期待は難しく、支持率の低下に反映されています。業種を問わず、賃金上昇・負担の軽減を求める声はいたるところからあがっています。