年金月11万円・認知症の母を特養へ入れたが…まさかの追加費用「2万5,000円」に、50代独身の息子が自分の未来をあきらめたワケ

年金月11万円・認知症の母を特養へ入れたが…まさかの追加費用「2万5,000円」に、50代独身の息子が自分の未来をあきらめたワケ
(※写真はイメージです/PIXTA)

親の介護は、子どもに想定以上の負担となってのしかかることがある。老人ホームへの入所も検討すべき選択肢だが、費用面の問題が生じることもあり、簡単ではない。実情を見ていく。


必要なお金はすべて吐き出し…自身のことは「母を見送ってから」

男性に平穏な毎日が戻ったかと思われたが、入所してすぐ問題が起こった。

 

「個室への移動を求められたのです」

 

同室の入居者への暴言が止まらず、個室への移動が必要だと判断されたのだった。

 

追加の費用は2万5,000万円。老人ホームには「支払いの滞納」「長期入院/介護度の変更」「迷惑行為」といった退去要件があり、それに該当した場合は退去を迫られるが、今回のケースでは、個室に入れば退去は免れられるという。

 

認知症患者が徘徊したり、大声を上げたりするのは珍しくないが、ホーム側の対応は施設によって異なってくる。

 

「もともと施設の費用は、母の年金と父が遺した貯金でギリギリの金額でした。しかし、ここで追加の費用が発生するなんて…。実家のリフォーム工事で、私の預貯金はほとんど残っていません」

 

男性が両親の苛酷な介護で失ったのは、自分の預貯金だけではなかった。足腰を痛めた男性は、元の仕事には復帰できず、いまは時間給でアルバイトをしている。その給料から2万5,000円を支払うのはあまりに厳しい。

 

「でも、仕方ありません。いまできることをするしかない。先のことはわかりませんが、少なくとも私自身のことは、母を見送ってからでないとどうしようもないですね…」

 

人は必ず年を取り、介護が必要になることもある。だが、子どもの労働力や資金力を当てにするのではなく、自分の老後の準備は、自分で行うことが重要だ。しかし残念ながら、そのような周到な考えを持つ人ばかりではない。おそらく日本の各地に、この男性のような悩み、つらさを抱えている人がいるのではないだろうか。

 


[参考資料]

内閣府『認知症年齢別有病率の推移等について』

 

 

 

税務調査を録音することはできるか?
相続税の「税務調査」の実態と対処方法

>>>12/10(火)LIVE配信

 

カメハメハ倶楽部セミナー・イベント

 

【12/10開催】
相続税の「税務調査」の実態と対処方法
―税務調査を録音することはできるか?

 

【12/10開催】
不動産「売買」と何が決定的に違うのか?
相続・事業承継対策の新常識「不動産M&A」とは

 

【12/11開催】
家賃収入はどうなる?節目を迎える不動産投資
“金利上昇局面”におけるアパートローンに
ついて元メガバンカー×不動産鑑定士が徹底検討

 

【12/12開催】
<富裕層のファミリーガバナンス>
相続対策としての財産管理と遺言書作成

 

【12/17開催】
中国経済×米中対立×台湾有事は何処へ
―「投資先としての中国」を改めて考える

 

 

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録