50代夫婦「タワマンから引っ越そうか」と考えるワケ
購入して満足する世帯があれば、当然「引っ越したいな…」といった声もある。
50代の伊藤さん夫婦(仮名)。都内のタワマンで生活し始めてから15年目、大規模修繕工事が始まった。
「建設された直後に購入し、15年経ちました。生活は可もなく不可もなく、といったところです。ただ延々とやってるんですよね、大規模修繕工事。まあそれは仕方がないんですけど、見栄えが悪いというか、景色も見れませんし……」
「妻が倒れてから、今の暮らしを改めたほうがいいんじゃないか、と考えるようになりました。少し前にあった停電騒動も、他人事じゃないな、と。50歳を超えてリタイア後の生活についても考え始めたのですが、戸建てに引っ越そうかと思っています。商店街や病院が近くて、高齢者が安心して暮らせる街に」
「今も駅チカで悪くはありませんが、何でもそろっているわけじゃない。コンビニとか、チェーン店とか、若い人向けの店舗が多いんです。大規模ショッピングモールがある郊外にでも移り住もうかな。妻も嫌がらないと思います」
大規模修繕工事に関しては、タワマン住民は金額面でも負担が大きい。国土交通省『令和3年度 マンション大規模修繕工事に関する実態調査』によると、タワーマンションの大規模修繕では大規模修繕工事の1戸あたりの負担額は、「100万円~125万円」27.0%、「75万円~100万円」24.7%、「125万円~150万円」17.4%。
お金持ちが住むイメージがあるタワマンだが、金額に見合う「住まい」なのか? その存在を疑問視する声もある。
“1回目の大規模修繕をクリアしたとしても、2回目、3回目は、そう簡単にはいかないかもしれない。ことによると、臨時徴収金をめぐって住民間の対立を招く可能性も高い。うまく合意形成できればいいが、規模が大きいほど、困難になることは間違いない。
このように大規模修繕の困難さや多額の費用負担を考えると、タワーマンションという住形態は果たして本当に効率的なのか、大きな疑問が生じてくる。むしろ、時間が経てば経つほど区分所有者に大きな負担を強いる時限爆弾のような住形態ではないだろうか。”(榊淳司『限界のタワーマンション』集英社新書)
タワマンを「刹那的な建物」と表現する専門家すら存在する。「人生最大の買い物」といえる住居選択。何もタワマンに限った話ではないが、資金繰り・年齢・世帯数などすべてを勘案し、適切な「我が家」をつくり上げたいものだ。
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