◆株主を特定せずに取得する場合
株主を特定せずに取得するスキームは、下記のとおりです。
1.取得に関する事項の決定(株主総会の普通決議)
●取得する株式数
●取得と引換えに交付する金銭等の内容およびその総額
●取得することができる期間
2.取締役会において下記を決定
●取得する株式数
●1株の取得と引換えに交付する金銭等の内容および額(またはその算定方法)
●取得と引換えに交付する金銭等の総額
●株式譲渡の申込期日
その上で、全株主に譲渡の機会を与えるため、これらの事項を株主に通知または広告
3.譲渡を希望する株主から株式数を明示して譲渡の申込みがなされることにより、自己株式を取得
※ただし、譲渡の申込数が取締役会において定められた取得する株式数を超えた場合には、譲渡を申し込んだ株式数に応じた按分比例により、自己株式の取得が行われる。
◆株主を特定して取得する場合
特定の株主から自己株式を取得する場合には、株主平等原則の観点から「売主追加請求権」という権利を認めています。そのため、決議を行う際に他の株主に対しても。「売却を希望する場合には希望する売却数等の申出を行う」ように知らせなくてはなりません。
売主追加請求権を無効にしたい場合には、定款の変更を行う必要があり、特別決議(議決権の過半数を有する株主が出席し、かつその議決権の3分の2以上の賛成)を行います。
スキームは下記のとおりです。
1.原則として、2の株主総会の2週間前までに株主全員に対して「売主追加請求」を行使できる旨を通知
※2の株主総会の2日前までに、株主は会社に対して「特定の株主」に自己を加えたものを議案とするよう請求できる。
2.取得に関する事項の決定(株主総会の特別決議)
●取得する株式数
●取得と引換えに交付する金銭等の内容およびその総額
●取得することができる期間
●会社法158条に基づく通知を特定の株主に対して行う旨
3.取締役会において下記を決定
●取得する株式数
●1株の取得と引換えに交付する金銭等の内容および額(またはその算定方法)
●取得と引換えに交付する金銭等の総額
●株式譲渡の申込期日
そのうえで、決定した株主に譲渡の機会を与えるため、これらの事項を株主に通知または広告
4.譲渡を希望する株主から株式数を明示して譲渡の申込みがなされることにより、自己株式を取得
※ただし、譲渡の申込数が取締役会において定められた取得する株式数を超えた場合には、各株主が譲渡を申し込んだ株式数に応じた按分比例により、自己株式の取得が行われる。