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「相続は事前に話し合わないと、9割が揉める」……裁判沙汰にならないまでも、遺産を巡って不仲になる、遺産分割以外にも介護、お墓に関するトラブルが発生することなどを考えると、9割という数字は決して大袈裟なものではありません。司法書士兼行政書士である太田昌宏氏の著書『円満相続のための 家族会議の始め方』(メディアパル)より、一部抜粋して紹介する本連載。太田氏が、司法書士ならではの視点から、トラブルを未然に防ぎ、円満な相続を実現するための家族会議の方法を、できるだけ分かりやすい表現を用いて解説します。

処分に困る財産は、事前に譲渡や処分も検討を

相続に関わる相談ごとでは、「親には、生前に雑多なものを処分しておいてほしかった」という声をよく聞きます。

 

相続人からすると、なんでこんなものを大切に取ってあるかわからないということでしょう。「その価値は、自分にしかわからない」──そう思っているなら、処分も人まかせにしてはいけません。

 

とくに判断に困るのは「趣味のコレクション」です。美術品やアンティークといった市場価値のあるものが含まれるかもしれませんが、知らない人にとっては、ほとんど価値がわからずガラクタにしか見えないのです。

 

 

趣味の品は、価値のわかる人に引き取ってもらうか、趣味のモノを扱う店やネットオークションなどで売却しておきましょう。

 

また、写真や記念品のような、本人にとって重要なモノも、死後に家族が困ることになります。思い入れが強かったり、親から受け継いだりしたモノで、どうしても処分ができない場合は、家族会議で説明しましょう。どういうもので、どう処分するのか決めておくだけでも、家族の負担は軽くなります。

 

さらに、処分費用も用意すれば安心です。押し入れのなかにひっそりと眠る品々は、手間の面からも金銭面からも、早めに手を打つことをおすすめします。

 

 

太田 昌宏

司法書士・行政書士

 

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円満相続のための 家族会議の始め方

円満相続のための 家族会議の始め方

太田昌宏

メディア・パル

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