処分に困る財産は、事前に譲渡や処分も検討を
相続に関わる相談ごとでは、「親には、生前に雑多なものを処分しておいてほしかった」という声をよく聞きます。
相続人からすると、なんでこんなものを大切に取ってあるかわからないということでしょう。「その価値は、自分にしかわからない」──そう思っているなら、処分も人まかせにしてはいけません。
とくに判断に困るのは「趣味のコレクション」です。美術品やアンティークといった市場価値のあるものが含まれるかもしれませんが、知らない人にとっては、ほとんど価値がわからずガラクタにしか見えないのです。
趣味の品は、価値のわかる人に引き取ってもらうか、趣味のモノを扱う店やネットオークションなどで売却しておきましょう。
また、写真や記念品のような、本人にとって重要なモノも、死後に家族が困ることになります。思い入れが強かったり、親から受け継いだりしたモノで、どうしても処分ができない場合は、家族会議で説明しましょう。どういうもので、どう処分するのか決めておくだけでも、家族の負担は軽くなります。
さらに、処分費用も用意すれば安心です。押し入れのなかにひっそりと眠る品々は、手間の面からも金銭面からも、早めに手を打つことをおすすめします。
太田 昌宏
司法書士・行政書士
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