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「相続は事前に話し合わないと、9割が揉める」……裁判沙汰にならないまでも、遺産を巡って不仲になる、遺産分割以外にも介護、お墓に関するトラブルなどが発生することを考えると、9割という数字は決して大袈裟なものではありません。司法書士兼行政書士である太田昌宏氏の著書『円満相続のための 家族会議の始め方』(メディアパル)より、一部抜粋して紹介する本連載。太田氏が、司法書士ならではの視点から、トラブルを未然に防ぎ、円満な相続を実現するための家族会議の方法を、できるだけ分かりやすい表現を用いて解説します。

「子の配偶者」は相続人ではない

相続について考えはじめる際に重要なことの一つが、「誰が相続人になるのか」を把握することです。財産を引き継ぐ可能性がある人を、もれなく会議に呼んで話し合う必要があるからです。

 

法律では、次のように決まっています。

 

①配偶者は必ず相続人

 

ただし、亡くなっている場合は「配偶者なし」です。

 

②第一順位は子(養子含む) 、第二順位は父・母、第三順位は兄弟姉妹

 

必ず相続人となる配偶者のほかに家族がいる場合、相続人になる人は優先順位がつけられています。子(場合によっては孫)がいれば相続人になります。

 

 

子がいなければ親が相続人になり、子も親もいなければ、兄弟姉妹(場合によっては甥や姪)が相続人になります。

 

相続開始時におなかにいる赤ちゃんも相続人になります。また、被相続人が養子で、子がいない場合は養親と実の親が相続人になります。ちなみに、子の配偶者は相続人ではありません。

 

③同時死亡の場合、亡くなった者はたがいに相続人にならない

 

たとえば、両親と子ひとりの3人家族で、事故や災害で両親が同時に亡くなり、子が助かった場合、父の相続人は子、母の相続人も同じく子です。死亡した夫婦間で相続は発生しません。

 

この相続人に該当する人が、家族会議に参加してもらうべき人と言えます。

複雑な家族関係にある相続人に要注意

やや複雑な家族関係にある場合、意外なところに相続人がいる可能性があります。家族会議を行う際、声をかける相手になりえるでしょう。

 

①再婚や再々婚している場合

 

現在の配偶者が相続人で、離婚した過去の配偶者は相続人にはなりません。ただし、過去の配偶者との間に子がいれば、親権の有無など関係なく、すべて相続人になります。

 

②所在不明の子がいる場合

 

音信を絶っていて今はどこにいるかわからない、生きているかもわからない子も、生きていれば相続人なので、探さなければなりません。

 

③子が先に亡くなっている場合

 

亡くなった子は相続できませんが、その子、つまり孫がいる場合は、子の立場をつぐ相続人(代襲相続人)となります。

 

 

 

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円満相続のための 家族会議の始め方

円満相続のための 家族会議の始め方

太田昌宏

メディア・パル

将来の相続に向け、自分なりにしっかり準備していたのにもめてしまった。そんなケースが増えています。理由は、家族間の意思疎通が不十分で、それぞれが意見を主張するから。 本書は、これまでに相続に関する数百件の相談を…

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