専門家に依頼したときの相場は?
相談するみなさんがもっとも気になり、専門家がもっとも回答しにくいのが、費用(報酬)です。
相続手続きは定型的な処理で終わるとは限りませんので、一律いくらと回答するのは、正直なところ困難です。どういう状況で、何を依頼するのか、財産の内容などの要素がからむため、きちんと聞き取りをしないと、金額は提示できません。当然、依頼する専門家(事務所)によっても異なり、地域差もあります。
相場観が知りたい場合は、専門家(事務所)のホームページをチェックしましょう。たいていは報酬の一例が出ているので、ざっと比較はできます。
電話での問い合わせは、あまりおすすめしません。いくら明朗会計をうたっていても、電話だけでいくらと答えてくれる専門家は多くないでしょう。
相談費用の目安は、相談時間が30~60分で5,000円~1万円くらいが多いと思います。初回相談は無料という専門家(事務所)もあります。
まずは訪問してみて、財産や依頼する内容を専門家にわかってもらい、そこでおおよその金額を聞くのがベターです。時間があるなら、複数の事務所を訪ねて比較してみるのもよいでしょう(参考:【図1】司法書士への依頼と内訳の一例)。
専門家も人間なので相性は重要
せっかく専門家に依頼したのに「安かろう、悪かろう」では、困ります。では、どんなタイプの専門家に頼むのがよいか、その基準を紹介します。かかりつけ医を選ぶのと似ているかもしれません。
私なりのチェックポイントをいくつか挙げてみます。
・相談に行った際の第一印象、話をしたときに感じた人柄は?
相続発生前からの相談の場合は、いろいろな手続きを頼むことになります。長いお付き合いになるので、誠実で丁寧な印象が得られるかどうかが、何より重要です。
・話をきちんと聞いてくれるか? 話しやすい雰囲気か
相談する側が状況をうまく説明できない、問題点がどこに隠れているかわからないのは当然です。最後まで話を聞いてくれるか、断定的な言い方をしないかなどの態度も重要です。
・わからないことに対して、納得できる回答をしてくれるか?
これはわかりやすい差が出ます。知識や経験の豊富な専門家であれば、かみくだいた説明はもちろん、答えがいくつも出てきたり、別の視点からの回答が出てきたりするでしょう。「こんなケースはこうなります」といった具体的な話があれば、納得できます。
より細かなポイントを図2にまとめました。
こんな対応は専門家に嫌われる
みなさんが専門家を選ぶのと同時に、専門家もあなたの様子をじっくり観察しています。相談の際にやってはいけないことを説明しておきます。
・本題になかなか入らない
相談時間は有効に使いましょう。家族関係など、昔話のなかに重要な事実が含まれることもありますが、今さらどうにもならないことを延々と語るのはNGです。
・一方的な主張をして、専門家の意見を聞き入れない
ルール、つまり法律を無視して自分の考えに共鳴・同意してくれる専門家を探している人がたまにいます。気持ちをふまえて、現実的な解決策を探りましょう。
・専門家からの質問に回答しない、重要な事実を告げない
家族関係や借金など、答えにくいことも当然あります。で、あれば「答えにくいですが、こうなんです」と伝えましょう。守秘義務がありますから、外に漏らすことはありません。
また、自分に都合の悪いことを話さない場合、のちのちトラブルが起こります。
・いきなり報酬を値切る
人生相談ではなくプロとして仕事をうけおうので、労力に対する対価を最初から値切られると困ります。気になる場合は、「予算はいくらです」と先に伝えるほうが話は早いです。
太田 昌宏
司法書士・行政書士
注目のセミナー情報
【国内不動産】11月9日(土)開催
実質利回り15%&短期償却で節税を実現
<安定>かつ<高稼働>が続く
屋内型「トランクルーム投資」成功の秘訣
【海外不動産】11月12日(火)開催
THE GOLD ONLINEセミナーに
「アンナアドバイザーズ」初登壇!
荒木杏奈氏が語る「カンボジア不動産」最新事情
【国内不動産】11月14日(木)開催
社長登壇!アパート4棟所有、資産3億円!
“入居者に選ばれ続けるアパート”が成功のカギ
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】