(※写真はイメージです/PIXTA)

有事や危機的な状況下では、CEOのリーダーシップが難局を打開するキーとなります。本記事では『最高経営責任者(CEO)の経営観―夢・理想の未来を拓く実践的技術』(ダイヤモンド社)から、著者の澤拓磨氏が、CEOが発揮すべきリーダーシップの在り方について解説します。

リーダーシップが死を迎える時とは

リーダーシップに死は存在する。それはどんな時だろうか。「人は三度死ぬ時がある」という。すなわち、「一度目の死はいつか必ずやってくる心臓停止の時、二度目の死は今世から体と心が消滅し物語を進められなくなった時、三度目の死はその人が社会から忘れ去られた時」だ。

 

それはリーダーにもほぼ当てはまる。リーダーシップを担う者の心臓が止まった時、今世から体と心が消滅し物語を進められなくなった時、そして、リーダーシップを担っていた者に後継者が存在しない時がそれである。

 

こうなれば、リーダーシップは間違いなく死を迎える。実はここまで先鋭でなくとも、リーダーシップの死を意味する状態が存在する。それは、リーダーが未来への自由と責任を享受する意志を失った時だ。つまりは、リーダーシップを担う者の心が折れた時、リーダーシップは死を迎える。

 

当然のこと、CEOをはじめとするリーダーシップを担う者は、絶対に未来への自由と責任を享受する意志を失ってはならない。もしも喪失しかかっているのであれば、今一度、取り戻さなければならない。

 

ついに意志を失ったのであれば、後継者に意志をつなぐか、後継者が存在しない場合はいたずらにコストとリスクを増大させるようなことはせず、潔くリーダーシップの旅を終えるのもやむを得ないことであろう。

 

 

澤 拓磨

株式会社TS&Co.創業者兼代表取締役グループCEO

経営変革プロフェッショナル

 

※本記事は『最高経営責任者(CEO)の経営観―​夢・理想の未来を拓く実践的技術』(ダイヤモンド社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。​

 

 

 

最高経営責任者(CEO)の経営観―夢・理想の未来を拓く実践的技術

最高経営責任者(CEO)の経営観―夢・理想の未来を拓く実践的技術

澤 拓磨

ダイヤモンド社

経営者、経営コンサルタントとして活躍する著者が、経営観をCEOの“視座”で俯瞰、2100年までの世界と企業経営を“視野”に、経営コンサルタントの“視点”で分解し、1冊に集約した経営実践書。

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