(※写真はイメージです/PIXTA)

超高齢社会の日本では、老後の資金不安を軽減させたいという考えから、年金の受給開始時期を後ろ倒しにして受給額を増やす「繰下げ受給」が注目されがちです。しかし、なかには受給額を減らしてでも「繰上げ受給」を選択する人も。いったいどちらを選択すべきなのか、老後の暮らしに悩むAさんの事例をとおして、株式会社よこはまライフプランニング代表取締役の井内義典CFPが解説します。

人生はいつ終わるかわからない…焦らず「年金増額」を検討

筆者は上記の説明のあと、Aさんに、「『いつまで生きられるかわからない』という理由だけで繰上げを選ぶと、後々後悔するかもしれません」と伝えました。Aさんはたしかにいつまで生きられるかわかりません。しかし一方で、長生きする可能性も十分にあるのです。

 

たしかに、繰上げ受給をすると、65歳までの在職中は給与と減額された年金両方受給できることになります。しかし、退職後の人生が長くなると、リタイア後は減額された年金で一生暮らすことになります。

 

65歳まで勤務するのであれば、給与収入もあることから、年金は無理に繰上げ受給せず、むしろ将来の年金受給額を増やすことに力を入れたほうがいいのではないでしょうか。

 

Aさんは前述の理由から「繰下げ受給」は検討していないようですが、60歳以降も65歳まで勤務する(=厚生年金に加入する)ことによって、その分年金は増えます。通常どおり65歳から年金を受け取ることになっても、その金額を65歳から生涯受給できます。

 

さらに、厚生年金自体は70歳になるまで加入対象ですので、65歳以降もアルバイト勤務等で厚生年金に加入できればさらに年金を増やすことも可能です。

 

筆者から一通り話を聞いたAさんは、「いろいろと突っ走りすぎていました。年金はたしかに多いほうが安心ですし、妻の将来や万が一のリスクも含めて考えないといけないですね……反省しました。一度冷静になって、自分にとっての最善を選ぼうと思います」と言い、この日は事務所をあとにしました。

 

年金は単純な損得で考えず、“長生きリスク”に対する保険として捉え、年金の受給開始時期を選択したいところです。

 

 

井内 義典

株式会社よこはまライフプランニング代表取締役

特定社会保険労務士/CFPⓇ認定者

 

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※個人情報保護のため、登場人物の情報は一部変更しています。

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