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「MORIO─J」が目指す地域インフラとしての役割

前回は、ポータルサイトの活用で利用者を広げる「MORIO─J」について説明をしました。今回は、「MORIO─J」が目指す地域インフラとしての役割を見ていきます。

交通で使用できる場所を拡大し、利用頻度を向上

盛岡ValueCityは、MORIO─Jの交通での利用を積極的に取り組んでいます。住民の足は自家用車であり、高齢者や学生にとって主な移動手段はバスです。今後は高齢者向けのオンデマンドタクシーなどのニーズも出てくると思いますが、当面はこの二つです。

 

自家用車としては市中の時間貸駐車場での利用がすでに可能になっています。今後は道の駅なども住民の利用も増えていますので、MORIO─Jが貯まったり、利用したりする場所として期待されます。

 

バスは県内の二つの大手事業者が運行していますが、今後ICカード化を検討しているとのことですので、その際にMORIO─Jの利用可能性の検討も働きかけています。

 

盛岡は観光振興にも注力しています。特に滞留時間の延伸をKPIとしています。岩手・盛岡での滞留時間を延ばすには、県内各地を回遊してもらうことに加え、回遊の後に宿泊してもらうことが最も有効です。東北新幹線の北海道への延伸は、盛岡の素通り率アップの懸念もありますので、岩手の観光コンテンツの充実に取り組んでいます。

 

また、観光客は国内旅行者だけを対象としているわけではありません。花巻空港を利用した外国人観光客(インバウンド)を増やすことの検討も進んでいます。インバウンド振興には、外国語対応やWiFiなどの通信環境整備が必要ですし、スマホなどを活かした情報発信が鍵になりますので、IT装備も必要になります。

盛岡・岩手・北東北で利用できる電子マネーに!?

また、MORIO─Jが「ポイント」という範疇を超え、更に発展させて本格的な「通貨」にすることも構想しています。「本格的な」という意味は、法定通貨「円」との直接的関係を持つことです。円で買える、すなわちチャージできるということです。

 

他の電子マネー同様に、円でチャージすることになります。ただし、通常の電子マネーが全国利用という汎用性を訴求するのに対して、MORIO―Jはあくまで、地域振興・地方創生が目的ですので、地域は盛岡・岩手・北東北と広がってもあくまで限定することになります。

 

MORIO─Jは一つのツールではありますが、盛岡・岩手の地域全体の活性に寄与することが期待されているという点で、ツールというよりも「地域インフラ」になることを目指しているといえると思います。

フェリカポケットマーケティング 代表取締役社長

1984年、大手IT企業入社。8年間の欧州駐在を経て2001年ICカードフェリカ事業の国内・海外営業の責任者に。交通や電子マネー、社員証など事業は軌道に乗っていたものの「交通や電子マネーではなく、衰退しつつある地域経済のために活かすことはできないか」と考えるように。地域活性のためには、大企業だけでなく、中小企業や個人店舗もICカードの利便性を享受できるような仕組みが必要とし、2008年1月フェリカポケットマーケティング株式会社を設立、社長に就任。現在でも全国各地を飛び回り、地元の方々との直接のコミュニケーションを第一として、現場主義を貫きながら「地域を元気にする」仕組み作りに奔走している。

著者紹介

連載地域内でお金が回る仕組み「地域通貨」の活用法

本連載は、2016年9月9日刊行の書籍『地域通貨で実現する 地方創生』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

 

地域通貨で実現する 地方創生

地域通貨で実現する 地方創生

納村 哲二

幻冬舎メディアコンサルティング

本書は、地域活性化に興味のある人や自治体・企業・団体に向けて、地域活性化のための1つの有効な手段と思われる「地域通貨」を軸にした、事例紹介を含めた参考書・指南書です。 地域活性化は都市・地方の双方にとって喫緊の課…

 

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