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地域の活性化・支援に特化――茨城県笠間市「かぽかカード」

前回は、地域通貨事業のモデル事例として、新潟県阿賀野市の「あがのポイント」について取り上げました。今回は、茨城県笠間市「かぽかカード」について見ていきます。

買い物などの直接利用ではなく、特産品などとの交換に

事例⑤【茨城県笠間市(かぽか、KapoCa)】

 

通貨プロフィール:かぽか(KapoCa)は、茨城県笠間市が発行する地域ポイントで、地域でのボランティア活動や健康増進活動への参加を通じた地域活性化に一役買っています。貯めたポイントを市の特産品などと交換したり、市からの交付金を必要としている民間事業の支援に使ったりすることができます。

 

市や市民の活動に目が向きやすくなる茨城県笠間市が発行するかぽか(KapoCa)は、紙のスタンプカードで2011年から始まり、集計管理などの効率化のために2012年からはICカードで運用されています。

 

かぽかは、貯めたポイントの使い道に特徴があります。これまで見てきた民間企業や商工会議所・商工会が主体となる制度は、貯めたポイントを買い物などの消費活動に使い地域経済の活性化に結びつける構図でした。しかし笠間市の現在のポイントは買い物などの直接利用はなく、特産品などとの交換です。主に、地域活性化や地域支援との結びつきが強い活動に絞られていて、コミュニティの醸成に役立てられています。

健康診断の受診や環境活動で貯まるポイント

まずポイントの貯め方は三パターンあります。

 

一つ目は、苫小牧市や阿賀野市と同じで、市が主催するイベント、講座、ボランティア活動に参加することで貯まります。例えばイベントなどに一般参加したりアンケート調査などに協力したりした場合には1ポイント、市民講師として講座を行った場合には5ポイント発行されます。

 

二つ目は、健康づくり活動です。健康診断の受診でもポイントが貯まります。献血所参加やヘルスリーダー養成講座の受講などです。

 

三つ目は、環境活動です。省エネやリサイクルにつながる活動で貯まります。

 

貯まったかぽかの使い方については三つのパターンがあります。

 

一つ目は、地域活性化貢献として、地域内の施設の利用券や特産品などとの交換です。例えば、美術館の招待券50ポイント、米との交換100ポイント、笠間焼のカップとの交換200ポイントなどがあり、地域に対する関心を高めたり、人の交流を盛んにしたり、特産品産業の振興につながるものがメニューとなっています。

 

二つ目は、公益事業の実施として、市民の願いを実現する活動です。市民貸出用備品の整備や車いすの購入、道路脇の植栽整備、市民貸出用の簡易テントを購入するといったものがあり、それぞれに対して実施に必要なポイントが設定されています。

 

次回は、貯まったかぽかの使い方の二つ目を紹介します。

フェリカポケットマーケティング 代表取締役社長

1984年、大手IT企業入社。8年間の欧州駐在を経て2001年ICカードフェリカ事業の国内・海外営業の責任者に。交通や電子マネー、社員証など事業は軌道に乗っていたものの「交通や電子マネーではなく、衰退しつつある地域経済のために活かすことはできないか」と考えるように。地域活性のためには、大企業だけでなく、中小企業や個人店舗もICカードの利便性を享受できるような仕組みが必要とし、2008年1月フェリカポケットマーケティング株式会社を設立、社長に就任。現在でも全国各地を飛び回り、地元の方々との直接のコミュニケーションを第一として、現場主義を貫きながら「地域を元気にする」仕組み作りに奔走している。

著者紹介

連載地域内でお金が回る仕組み「地域通貨」の活用法

本連載は、2016年9月9日刊行の書籍『地域通貨で実現する 地方創生』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

 

地域通貨で実現する 地方創生

地域通貨で実現する 地方創生

納村 哲二

幻冬舎メディアコンサルティング

本書は、地域活性化に興味のある人や自治体・企業・団体に向けて、地域活性化のための1つの有効な手段と思われる「地域通貨」を軸にした、事例紹介を含めた参考書・指南書です。 地域活性化は都市・地方の双方にとって喫緊の課…

 

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