安否確認にも!?「あがのポイント」を利用した見守りサービス

前回に引き続き、地域通貨事業のモデル事例として、新潟県阿賀野市の「あがのポイント」について見ていきます。

APOカードの利用で登録者の居場所や安否確認が可能

前回の続きです。

 

阿賀野市の取り組みでもう一つ特徴的なのが、APOカードを利用した安全安心の見守りサービスも同時に実施している点です。市内の小中学校、児童クラブ、病院など市内の約30カ所に設置する端末を利用し、子供や高齢者の見守りに活用する点です。

 

利用手順としては、まずAPOカードのWEBサイトからメールアドレスを登録します。サービスとしては、APOカードを持つ子供や高齢者が学校・病院などの端末にかざした家族にメールが届き、居場所や安否が確認できるという仕組みです。

地域のインフラとしても活躍が期待!?

また、設置された端末にカードをかざすだけという特徴を生かして複数の拠点をめぐるラリーのようなイベントにも使えます。すでに実施されたイベントとして、健康づくりと地域の魅力の再発見を目的としたウオーキングラリーが行われました。指定された施設などのうち3カ所回ると30ポイント、5カ所回ると50ポイント獲得できるという内容のイベントです。

 

見守りのようなサービスやラリーのようなイベントにより付加価値をつけられるのもICカードを使う一つのメリットといえるでしょう。特に見守りについては、少子高齢化が進む現状と、地域と住民の安全を守るという行政の役割の観点から、今後も注目度が高まると考えられます。

 

阿賀野市の取り組みから見えてくるのは、地域通貨のカードや端末を地域サービス提供のインフラとして位置付け、そのインフラの上により必要性が高いサービスなどを順次追加していくという方法です。

 

自治体によって優先的に提供したいサービスは異なりますが、インフラさえ整えばサービスは後から追加でき、修正や変更もできます。その点で地域通貨の導入・普及は一種のインフラ整備ともいえます。カード保有者と設置端末が増えるほどインフラとしての価値が高まりますし、自治体や地元企業、商店街や事務局会社のアイデア次第でより付加価値を高めていくこともできます。

 

フェリカポケットマーケティング 代表取締役社長

1984年、大手IT企業入社。8年間の欧州駐在を経て2001年ICカードフェリカ事業の国内・海外営業の責任者に。交通や電子マネー、社員証など事業は軌道に乗っていたものの「交通や電子マネーではなく、衰退しつつある地域経済のために活かすことはできないか」と考えるように。地域活性のためには、大企業だけでなく、中小企業や個人店舗もICカードの利便性を享受できるような仕組みが必要とし、2008年1月フェリカポケットマーケティング株式会社を設立、社長に就任。現在でも全国各地を飛び回り、地元の方々との直接のコミュニケーションを第一として、現場主義を貫きながら「地域を元気にする」仕組み作りに奔走している。

著者紹介

連載地域内でお金が回る仕組み「地域通貨」の活用法

本連載は、2016年9月9日刊行の書籍『地域通貨で実現する 地方創生』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

地域通貨で実現する 地方創生

地域通貨で実現する 地方創生

納村 哲二

幻冬舎メディアコンサルティング

本書は、地域活性化に興味のある人や自治体・企業・団体に向けて、地域活性化のための1つの有効な手段と思われる「地域通貨」を軸にした、事例紹介を含めた参考書・指南書です。 地域活性化は都市・地方の双方にとって喫緊の…

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