(※写真はイメージです/PIXTA)

働いていた際の給与と、加入期間で厚生年金の受給額は決まります。毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」には、これまでの納付額が記載されており、「こんなに払っているのか…。この払っている分、貯金しておくほうが得なのでは?」と思う人もいるようです。本記事では、「年金の意義」について検証していきます。

「もらえるわけがないだろう…」という風潮

当時、「将来、年金なんてもらえるわけない」という風潮がどこから来たのかというと、それは年金が賦課方式であるところからでしょう。現役世代が納めている年金が、そのときの受給者に支払われる仕組みです。

 

“賦課方式というのは、高齢者に支払う年金の財源を現役世代に負担してもらおうという方式です。家庭に例えるなら、子どもが親の生活費を負担するようなものです。親2人に対して、子どもが3人、4人といれば、1人の子どもが負担する金額も少なくて済むかもしれませんが、子どもが1人あるいは2人となると、大変です。残念ながら、日本の年金制度は賦課方式を採用しています。”『30歳から定年までで2億円つくる ほったらかし資産運用術』より

 

超少子高齢化の日本において、自分たちが受け取る側になったときに、この方式が成り立つはずはない……このロジックは、「世代格差」のネガティブな影響をもろに受けた就職氷河期世代に響くものがありました。支払っていない分、自らが後から損するわけですが「搾取ばかりされるのはごめんだ」と、小さな反骨精神で実行する人もいたのです。

勤労40年…払い続けて「もらえる額」は?

それでは20歳から60歳まで、真面目にコツコツと会社で働き続けた場合、どのくらいの金額が受け取れるのでしょうか? 厚生労働省が運営する『いっしょに検証!公的年金 〜財政検証結果から読み解く年金の将来〜』というサイトでは、

 

「おおよその年金額を知りたいときはどうしたらいいんだ?」という質問に対して、下記の金額が例としてあげられていました。

 

“厚生年金に40年間加入して、その期間の平均収入(月額換算した賞与含む)が月43.9万円の場合、受給額は月額約9.0万円の老齢厚生年金と、月額約6.5万円の老齢基礎年金を合計した約15.6万円(令和2年度)になります。”

 

国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者のなかで正規社員の平均給与は508万円、月にすると約42.3万円なので、平均よりも少し多めの額ですが、およそ平均です。

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