純資産総額で選ぶ
純資産総額が大きい投資信託に注目してみましょう。
簡単に言うと、純資産総額とはその投資信託に集まっている投資家のお金の総額と言えます。ある程度の純資産がないと安定して分散投資ができなくなる可能性があります。
また、純資産総額が多くなればなるほど、その投資信託から得られる手数料の額が大きくなるわけですから、将来的には手数料率を下げてくれるかもしれませんし、投資信託を運用する運用会社が最低限の情報公開以外にも、イベントをやってくれたり、資料も見やすくなるなどのメリットも生じる場合があります。
純資産総額は具体的にいくら以上じゃないといけません、ということはありませんが、1つの目安として100億円以上という基準で探してみるといいでしょう。
また、直近6ヶ月ぐらいの純資産総額の推移にも注目しましょう。仮に純資産総額が大きかったとしても、毎月資金が流出しているような投資信託は避けるべきです。
投資対象の値段が下がっていくのと連動して純資産総額が減っているのであればいいですが、そうではないのなら、何か理由があって資金が流出しているということになります。
これまでの運用実績で選ぶ
インデックスファンドを選ぶ場合、似たような投資信託が多くて悩むという方もいるでしょう。
たとえば、日経平均株価に連動するインデックスファンドというのは、多くの運用会社が提供しています。どれも日経平均株価に連動するように運用しているわけですから、基本的にはパフォーマンスは同じになるはずです。
しかし、公開されているデータを見てみると、ファンドごとにインデックスの動きから少しだけ乖離しています。これをトラッキング・エラーと言いますが、この数字が大きくなればなるほど、連動させようとしているインデックスの動きに沿った運用ができていないということになります。
運用スタイルで選ぶ
最後は運用スタイルで選びましょう。
これまでにも説明した通り、投資信託には大きく分けてインデックス型とアクティブ型の2種類があります。基本的にはインデックス型を選ぶようにしましょう。
日経平均株価は過去20年間の年間騰落率を平均すると5%にも満たないのに対して、アクティブファンドであれば運用がうまくいけば10%や20%のリターンは期待できます。
ただ、その逆も起こり得ます。また、手数料もインデックスファンドより高くなる傾向にあります。コツコツと積み立てて老後資産を形成するのであれば、インデックスファンドだけで十分でしょう。
森永 康平
金融教育ベンチャーの株式会社マネネCEO/経済アナリスト
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