「預金の取り込み」は“身内の密告”で発覚するケースが多い?
税務署はなぜ父親とAさんの通帳の動きを把握していたのでしょうか。実は、調査官の職権で、故人やその相続人家族全体の預金口座を調べることができるのです。
相続税の調査の場合、おおむね10年ほど遡って家族の預金口座を調べてから調査が実施されます。このため、銀行資金の流れで預金の取り込みの発覚に至りました。
預金の取り込みは、今回のように「身内からの密告」がきっかけで判明するケースが少なくありません。身内からの密告は信憑性が高い場合が多いため、追徴課税を取れると判断され、税務調査に至る可能性は高くなります。
定期的に状況を把握していない場合、相続トラブルに発展しやすい
「預金の取り込み」は親が元気のうちはあまりないですが、親の認知機能が低下すると、同居している家族によって行われることがあります。
また、まじめに介護していたとしても、相続の際に別居している別の相続人から預金の取り込みを疑われる場合があります。こうしたトラブルを防ぐためにも、きょうだいで細目に連絡を取りあう(状況を共有しておく)ことが大切です。
なお、もしも細目な情報共有が難しい場合には、親の預金を引き出した際、なにに使ったのか後で説明できる領収書等を保存しておくと良いでしょう。
宮路 幸人
多賀谷会計事務所
税理士/CFP
配偶者の預金は?子ども名義の生命保険は?
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