大型店舗の場合、引越し費用だけで軽く1億円超!?
工場・倉庫で使う設備は、通常、テナント自身が必要なものを手配していきます。
大型の機械を複数台搬入するような場合には、10トントラックが何十台も必要となるようなケースもあり、そうなると、工場への引っ越し費用だけで軽く1億円を超えることも珍しくありません。
このように初期投資だけでも多額の費用がかかるため、工場・倉庫のテナントは一度契約を結べば、簡単には退去せず長期にわたり借り続けてくれます。賃貸借期間は平均で15年程度、長ければ20年、30年に及ぶのは普通ですし、半永久的に借りることも少なくありません。
実際、全国展開をしているようなドラッグストアやファミリーレストランなどの大型店舗を見てみると、大通りに店を構えた後、いつまでも変わらずに営業し続けているところが多いはずです。
おそらく、「そういえば、近所の国道のあのファミレス、自分が子どもの時からあるなあ」というような店を、誰でもすぐに思い浮かべることができるのではないでしょうか。
マンションと比べ、空室リスクが最小限で済む工場投資
一方、マンションの場合(エリアは首都圏)は、学生を対象とする物件については入居者の74.6%が2年から4年程度の平均入居期間であり、ファミリーを対象とする物件に関しては入居者の58.1%が4年から6年程度の平均入居期間となっています。工場・倉庫と比べれば非常に短い期間で、借主は退去してしまうわけです。
[図表]マンションの平均入居期間
不動産投資では、何よりも空室状態になることを避けなければなりません。テナントが長く居続けてくれる工場・倉庫は、空室リスクを最小限に抑えられる理想的な投資対象といえるのです。一方、平均入居期間が短いマンションは、工場・倉庫に比べて空室リスクが格段に大きいということができるでしょう。