社会保険料が削減できる2つのポイント
なぜこんなに削減できるのかということですが、ポイントが2つあります。
ポイント① 月額給与を低く設定する
社会保険料は、標準報酬月額(つまり月収)をもとに算出されます。個人事業主の場合、収入が上がるほど標準報酬月額が上がり、社会保険料(主に国保)は高くなります。ここでマイクロ法人を設立し、マイクロ法人から給料を受け取ることで、公的保険が社会保険と厚生年金に切り替わります。そしてマイクロ法人から受け取る役員報酬を最低額に設定すれば、社会保険料を大きく減らすことができます。
図のように、月6万3,000円未満の時に、標準報酬月額の等級が最も低くなり、社会保険料が最安になります。ですので、社会保険料を抑えるのであれば、そこを超えないようにするというのが、まずひとつの目安となります。
では、「役員報酬を最低額にする」とは具体的にはいくら程度を指すのでしょうか。役員報酬月6万円とすると、6万円×12カ月=72万円で、おおむねこれが目安です。
そして、役員報酬を最低額にしたとき、保険料は
・厚生年金が月1万6,104円
・国民年金が月1万6,520円
と、ほぼ同額です。
ポイント② 家族を扶養にいれる
しかも、法人で加入する社会保険では家族を扶養家族に出来るのに対して、個人事業主が加入している国民保険には扶養という概念がありません。 ですので、国民年金の場合、夫婦二人暮らしの世帯では二人分の国民年金保険料(この場合夫婦で月およそ3万3,000円)が発生します。
また、国民健康保険では配偶者・実子など全員が「被保険者」となり、それぞれの保険料を支払います。つまり、国民年金では家族の人数が多いほど、世帯としての保険料も増えていきます。一方、厚生年金では被扶養者(配偶者・子ども)の年金保険料と健康保険料支払いが不要になるため、被扶養者が増えるほど、得する額が大きくなります。
また、保証が手厚くなる理由としては、将来的に国民年金分と厚生年金分の両方を受け取ることができることが大きいです。これは厚生年金の保険料には国民年金分も含まれているからですね。
このように、マイクロ法人には社会保険料を削減できるという大きなメリットがあることがおわかりいただけたかと思います。
ただし、2024年から改正によって社会保険料の適用範囲がパートにまで拡大するなど、社会保険料を広範囲から徴収する流れになってきています。今後の動き次第ですが、個人事業主にまで社会保険の適用範囲が広がる等、社会保険料の算定方法が変わる可能性もあり得ます。ですので、社会保険料目当ててでマイクロ法人の設立を考えている人は、動向を注視しましょう。
辻 哲弥
税理士法人グランサーズ
税理士法人グランサーズの新進気鋭の税理士が解説
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