(画像はイメージです/PIXTA)

子どもたちが独立して夫婦2人の生活に戻ると、これまでの生活スタイルがなじまなくなり「住み替え」を検討する方も増えてきます。ここでは、定年退職が見えてきた50代後半から60代前半の方々に向け、住み替えのタイミングや費用について取り上げます。FP資格も持つ公認会計士・税理士の岸田康雄氏が解説します。

定年退職のタイミングで「住み替え」を検討する人が急増

アラカン世代の共働きの夫婦です。すでに双方の両親を見送り、子ども2人も独立して巣立っていきました。定年が近づいてきた私たちですが、現状では、介護と子育てをしてきた郊外の戸建て住宅に暮らしています。しかし、夫婦2人では広過ぎ、持て余している状況です。もし思い切って住み替えるなら、どのような注意点があるでしょうか?

 

(57歳会社員 横浜市青葉区)


定年を機会に住み替えを検討する方は少なくありません。現在の住まいを〈終の棲家〉と考える方は約半数程度といわれ、年齢を重ねるなかで、住居のコンパクト化のみならず、高齢者施設への移住も視野に入れているシニア世代が増えています。

 

住み替えを決断するきっかけですが、長年暮らした自宅が老朽化し、快適な暮らしがむずかしくなったとき、そして、上記の相談者の方のように、子どもの独立がきっかけになるケースが多く見られます。同居していた子どもが就職や結婚で家を出て夫婦2人暮らしになり、家族構成が変化することで、コンパクトで管理がしやすい住まい、コストパフォーマンスのよい住まいへの住み替えをする人が増えるのです。

 

年齢を重ねた方々は、買い物や通院が大変になることを見越し、郊外の広い一軒家から都心部のマンションへ住み替えるというのが一般的なイメージですが、故郷へのUターン、海外へ移住するという方もいます。

 

むしろ、現役時代は通勤に便利な場所を選んで生活していても、定年退職後はこれまでの縛りがなくなり、住むエリアの選択肢が広がるともいえます。

住み替えするなら…なにから着手すべき?

もし住み替えを決意したなら、まずは住み替え先のエリアを決め、地元の不動産業者に相談しながら物件を探しましょう。海外移住を検討している場合は、インターネットによる情報も大切ですが、実際にエリア内のウィークリーマンション等に1週間程度滞在してみて、住み替え後の生活を疑似体験してみるのがいいでしょう。

 

引っ越し準備ですが、いまの家財道具をそのまま持ち込むのは大変です。引っ越しまでの間に、少しずつ不用品を整理して、ダウンサイジングをしておきましょう。可能なら、ヤフオクやメルカリで売却しておくのもいいでしょう。

 

そして、忘れてはならないのが「現在の住まいをどうするのか」という点ですが、

 

●売却し、住み替えの費用や老後資金に充てる

●賃貸に出す

●子どもや親族に譲渡する

 

上記のような選択肢を検討することになります。

住み替えに伴う「費用面」の注意点

住み替えをする場合、新しい住まいを賃借する方法と、購入する方法が考えられますが、高齢になってから家を借りるのは大変です。そのため、シニアの選択肢は購入がほとんどになるでしょう。マンションなのか戸建てなのか、新築なのか中古なのか等により、費用は大きく異なりますが、東京都の都心部だと中古マンションでも1億円くらいかかることになります。もしハワイに不動産を買うなら、10億円くらい必要です。

 

このような事情から、現在の住まいを売却したお金で、新たな住まいを購入するのが現実的な選択肢となります。不動産業者に売却額を査定してもらったあと、査定額の範囲内で新たな住まいを探すとスムーズでしょう。

 

また、不動産業者の仲介手数料も意外に大きいということも覚えておきましょう。売買の場合は、売買代金の3%プラス6万円プラス消費税です。それに加えて、国内の不動産であれば、印紙税、登録免許税、不動産取得税を納める必要があります。そして、引っ越し費用も忘れてはなりません。

 

老後の住み替え先探しは、早い段階から検討・計画を立てておくことがお勧めです。

 

 

岸田 康雄
公認会計士/税理士/行政書士/宅地建物取引士/中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)

 

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「60代・定年退職後の新しい老後生活」住み替え・移住計画の完全ガイド!

 

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