「知人の知人」のような弱い関係がイノベーションを起こす
お金に関する人間関係は、関係性の頻度、相互性、強さ、親密さなどからストロングタイ(強い結びつき)とウィークタイ(弱い結びつき)に分類することができます。
不況を乗り切って経済が成長したり、新しいお金を生み出すためのイノベーションを起こすためには、家族や親友、あるいは同じ職場の同僚のような強いストロングタイよりも、ちょっとした知り合いであったり、「知人の知人」のような弱いウィークタイのほうが重要なのです。
ウィークタイ理論においては、自分とは異なる文化や業界に属している人たちと、いかに薄く広くつながっていられるかということが、実はその人のポテンシャルになるといわれています。
私は最近、ビジネス関係の会議に行ったときに居並ぶ立派なおじさんたちに聞いていることがあります。
それは、「皆さんの中で、AKB48のメンバーを直接知っている方はいらっしゃいますか」というものです。
しかし、今まで「私はAKB48を直接知っています」という人に巡り合ったことはありません。
もし、そのような人がいたとすれば、私はこういおうと思っています。
それは、「あなたが2つのコミュニティを結ぶ補助線になることができるのです」ということです。そのようなところから何か新しいものが生まれる可能性があるわけです。
多くの仕事が、ウィークタイの結びつきから生まれるものです。
社会的に強いコミュニティや同じようなゾーンにいると、そこの中で脳が満足してしまいがちです。これが「安定」と呼ばれているものです。
ところが、ちょっと離れた人であったり、まったく違う分野の人と仕事をすることで脳は「ワクワク感」を演出し、その結果として、新しいお金を生み出したりイノベーションを起こすことができるようになるのです。
脳科学者
茂木 健一郎
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