前回に引き続き、地域通貨事業のモデル事例として、香川県高松市の「めぐりんマイル」について見ていきます。

宿泊旅行者の増加に地域通貨を生かす

前回の続きです。

 

めぐりんサービスは、貯め方や参加店舗の豊富さとしては最も進んだ事例ですが、次のような課題があるとめぐりん事務局は考えており、実現に向けて積極的に活動しています。

 

課題1:行政サービスとのより強い連携

 

高松市や香川県との行政サービスとめぐりんマイルとの連携が重要です。健康福祉分野や環境分野だけではなく、プレミアム商品券などの連携も望まれるところです。

 

また、香川県の観光の課題は、うどんを食べに来ても、金比羅さんに来ても宿泊せずに日帰りしてしまう旅行者が多いことだそうです。

 

国内の旅行者や海外からの旅行者(インバウンド)に、プレミアム旅行券・宿泊券などをスマホなどのITを利用して販売することで、宿泊旅行者を増やすことにも、めぐりんマイルという地域通貨がお役に立てることも考えられます。いわゆる「3つの限定」を活かして、半年以内での香川県内ので宿泊という目的に限定して利用可能なプレミアム宿泊券などをめぐりんマイルで実現することです。

ITの有効活用で地域通貨の流通量をアップ

課題2:地元インフラ企業との連携

 

地元金融機関、電力・ガス会社、地元メディアなどのインフラ企業が、割引分や特典としてめぐりんマイルを発行したり、自社ポイントをめぐりんマイルと交換したりすることは、地域通貨の役割としても、流通量拡大にも重要です。

 

課題3:ITの有効活用

 

「わくわくめぐりん・com」などWEBサービスも提供していますし、フリーペーパー「めぐりんりん」も発行していますが、今後はスマホアプリやSNSサービスの充実が期待されています。地域通貨の流通量を増やすための施策としては、ITの有効活用が必須であると思います。

本連載は、2016年9月9日刊行の書籍『地域通貨で実現する 地方創生』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

地域通貨で実現する 地方創生

地域通貨で実現する 地方創生

納村 哲二

幻冬舎メディアコンサルティング

本書は、地域活性化に興味のある人や自治体・企業・団体に向けて、地域活性化のための1つの有効な手段と思われる「地域通貨」を軸にした、事例紹介を含めた参考書・指南書です。 地域活性化は都市・地方の双方にとって喫緊の…

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