回復に向かう「フィリピンの労働市場」…失業率、過去20年で最低水準を記録

2月11日週「最新・フィリピン」ニュース

回復に向かう「フィリピンの労働市場」…失業率、過去20年で最低水準を記録
写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が、フィリピンの現況を解説するフィリピンレポート。今週は、経済の好調を示す失業率が回復に向かうフィリピンの現状を中心にレポートしていきます。

経済押上げ効果が期待できる「インフレ率」は低下傾向

1月のヘッドラインインフレーションは、フィリピン中央銀行(BSP)の2~4%の目標範囲内に2ヵ月連続で落ち込み、3年以上ぶりの低い水準である2.8%に急減速しました。

 

フィリピン統計局(PSA)の予備データによると、12月の3.9%から1月の2.8%に下がり、2022年の同月の8.7%からも低下しました。BSPは、2024年第1四半期にインフレ率が大幅に抑制される見込みであり、これは主にベース効果のマイナスと、主要商品に影響を与える供給制約の緩和によるものとしています。

 

食品と燃料の価格の変動を除くコアインフレーションは、12月の4.4%から1月の3.8%に引き続き低下しました。これは、17ヵ月ぶりにコアインフレーションが2~4%の目標範囲内に収まり、2022年6月の3.1%以来の低い数字です。

 

食品インフレ単独では、1月の食品インフレは3.3%に低下し、前月の5.5%および1年前の11.2%から低下しました。これは、2022年3月の2.8%以来の食品インフレの最低水準です。主な要因は野菜、塊茎、バナナ、豆の価格の急速な低下。魚介類も食品インフレの低下に寄与しています。

 

一方で、米のインフレ率は依然として加速しており、1月には12月の19.6%から22.6%に上昇しました。これは、2009年3月の22.9%以来、15年ぶりの高い水準です。これはエルニーニョ現象やベース効果の影響です。

 

最新のインフレと国内総生産(GDP)の結果を考慮したうえで、BSPの金融政策決定会議が2月15日に開催される予定です。BSPは、5.25~5.5%の16年ぶりの高水準で基準金利を2回連続して据え置いています。これは、2022年5月から2023年10月までの間に450ベーシスポイント(bps)引き上げた後のものです。

 

※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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