日本人からすると“奇妙な表現”…英語圏で「He has been dead for two years.(彼は2年間ずっと死んでいる)」が当たり前に使われるワケ【カリスマ講師・関正生氏が解説】
“surprise”が「驚かせる」という意味になる理由
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「I don’t know what the secret to success is. But I know the secret to failure: and that is, trying to please everyone.」
─ Bill Cosby ─
「成功の秘訣(ひけつ)は知らないが、失敗の秘訣なら心得ている。目の前の人全員を喜ばせようとして失敗してしまうのだ。」
─ビル・コスビー ─
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ビル・コスビー(アメリカのコメディアン)のコトバにある“please”という動詞は「喜ば【せる】」って意味です。決して「喜ぶ」じゃないんです。
■文化の違いがコトバの違いに出る
たとえばいま、目の前にステキな人がいるとします。みなさんはその人に「興味を【持つ】」、その人がいるから「ワクワク【する】」、いなくなったら「ガッカリ【する】」って言いますよね。日本語の感情表現って、全部「(自分が)~する」型です。
日本人の考え方では、誰かに好意を持った瞬間、自分の心に何かが芽生えたような感覚になりますよね。
でも英語圏の人の考えでは、あなたの心の中に興味のタネを植えこむ人がいるんです。相手に興味を「持たせる」存在が。さて誰でしょう? 「生まれたときから小指と小指が赤い糸で…」って聞いたことありませんか? その赤い糸をつなげることができる人って誰でしょう?
気づきましたか? やっぱり神様でしょうね。
「神様が自分に興味を持たせた」
ふだんからこういう考え方をする英語圏の人には、他者が「~させる」って考え方が非常に強いわけです。だから感情を表す動詞は、ひたすら「させる」「させる!」「させる!!」って意味を持つんです。
■英語の感情動詞は「~させる」と訳す
では、動詞surprise の意味は何でしょうか? 「おどろ……」
おどろ…「く」、じゃないですよ。
正解は「驚か【せる】」です。英語で気持ちを表す動詞は「~させる」です。
たとえばinterestは「興味を持た【せる】」、exciteは「ワクワク【させる】」、disappoint は「ガッカリ【させる】」、pleaseは「喜ば【せる】」っていうふうに、「~させる」型になります。
英語の感情表現は常に「~させる」って訳せばいいので混乱することはありません。日本語とまったく違う発想ですね。
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<まとめ>
英語の感情動詞は「~させる」って意味を持つ!!
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「ワクワクする」が“be excited”と受動態になる理由
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「Twenty years from now you will be more disappointed by the things you didn’t do than by the ones you did do. Explore. Dream. Discover.」
─ Mark Twain ─
「いまから20年後、やってしまったことよりもやらなかったことに失望するはずだ。探検に出よ。夢を描け。新たな発見をせよ。」
─マーク・トウェイン─
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■excitingとexcitedは全然違う
次の2つの文、違いがわかりますか?
①Tom is exciting. / ②Tom is excited.
まずは①Tom is exciting.のほうから。
exciteは「ワクワクさせる」って意味です。「させる」ってのがポイントです。excitingはexciteに-ingがついただけですから、意味が大きく変わることはありません。
(*正確に言うと-ingがつくことで形容詞化していますが、気にしなくて大丈夫です。)
したがってexcitingは「ワクワク【させる】ような」と考えればOKです。
「トムは(周りの人を)ワクワク【させる】ような人です」、つまりトムが「とっても魅力的」ってことです。①のトムは魅力的なんです。周りの人間をワクワクさせちゃうカリスマ性があるんです。でもトム本人はワクワクしているとは限りません。思いっきりシラけててもOKなんです。
次に②Tom is excited.を考えてみましょう。
exciteは「ワクワクさせる」ですから“is excited”は受動態ですね。訳せますか? 「ワクワクさせる」を受け身の「られる」に変えます。
「ワクワクさせ……」続きをどうぞ!
「ワクワクさせ…られる」ですね。言いにくいからって適当にゴマかしちゃいけません。もう1回言ってみてください。「ワクワクさ・せ・ら・れ・る」ですね。したがって「トムは(何かに)ワクワクさせられている」→「ワクワクしている」って意味なんです。
②のトムは、「トム自身がワクワクしている」のです。周りがシラけていてもいいんです。トムひとりが大興奮していればTom is excited. が使えます。
先述のマーク・トウェイン(1835~1910、『トム・ソーヤの冒険』の作者)のコトバには“you will be more disappointed”があります。disappointは「ガッカリさせる」という意味ですから、“be disappointed”「ガッカリさせられる」→「ガッカリする」って考えればOKですね。
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<まとめ>
①感情動詞が-ing→「気持ちに【させる】」
②感情動詞が-ed→「気持ちに【させられる】」→「気持ちに【なる】」
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関 正生
スタディサプリ講師
1975年東京生まれ。埼玉県立浦和高校、慶應義塾大学文学部(英米文学専攻)卒業。TOEIC L&Rテスト990点満点取得。リクルート運営のオンライン予備校「スタディサプリ」講師。スタディサプリでの有料受講者数は年間140万人以上。
著書は「世界一わかりやすい授業」シリーズ、「大学入試 関正生のプラチナルール」シリーズ(以上、KADOKAWA)など累計350万部突破。またNHKラジオ「基礎英語2」テキストでのコラム連載、英語雑誌『CNN ENGLISH EXPRESS』での記事執筆など多数。
オンライン英会話スクールhanaso(株式会社アンフープ)での教材監修、社会人向けの講演など、20年以上のキャリアで磨かれた「教えるプロ」として、英語を学習する全世代に強力な影響を与えている。
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