築いた資産は死ぬまでに使い切れ!
億り人になったあとに「資産がなくなる」という不安から、せっかく築いた資産を使わずに亡くなる人は多い。国税庁の相続税の申告事情の概要によると、令和3年度は9.3%の人が相続税の課税対象になった。
相続税は「3000万円+法定相続人の数×600 万円」の基礎控除以下であれば課税されない。つまり、少なくとも3000万円以上の資産をのこして亡くなった人が、およそ11人に1人もいるのだ。子どもや配偶者に資産をのこすことには反対しない。ただ、のこしすぎることで家族を不幸にしてしまうこともある。
僕は必要最低限だけのこしたら、余った分は寄付する予定。これは、子どものことを大切に思っていないからではなく、大切に思っているからこその選択だ。詳しくは本にも書いているが、僕は親として子どもに残すべきなのは「お金」ではなく、「お金の知識」だと考えている。
僕の目標は、「100歳までに全財産(35億円)を使い切ること」だ。この目標は節約生活をしているときから変わっておらず、図のように資産を100歳までに使い切るための計算をしていた。この表を作っておけば、毎月どれだけの支出があると資産がなくなるのかもわかるので、お金を使い切ってしまう不安からも解放される。
100歳までに資産を使い切るシミュレーション(見本)
・臨時支出のために一定額を残すようにシミュレーションする(本計算では500万円)
・資産額に運用利回りを反映させない
・80歳からは支出額を年2%ずつ減らす
※ 2%減で生活ができれば、100歳で計画より少し多くお金が残る。計画はネガティブに考えておくと、何かあったときに焦らずにすむ
計算例:(1億円-500万円)÷ 42(100歳までの年齢)= 2,261,904 円 ≒ 2,262,000円
リスクを最小限にするために計画はネガティブに
資産を使い切るためのシミュレーションをするときに、僕が大切にしている考え方がある。それは、「できるだけネガティブな計画にすること」だ。
なぜかというと、想定していた利益を得られなかったり、リーマンショックやコロナショックのような大暴落が起きたりしたときに、精神的な負担を感じてしまうからだ。これらのネガティブ要因を計画に反映させていなければ、思わぬタイミングで投資信託を売却することになり、資産を大きく減らしてしまうこともあるだろう。
そうなると、生きていくためのお金がなくなって、路頭に迷ってしまうことにもなりかねない。このような状況は、絶対に避けなければならない。
こういったリスクを最小限にしたいと考えている僕は、資産を使い切るシミュレーションに運用利回りを含めないようにしている。運用利回りを含めずに計算しておけば、想定していた利益が得られなくても精神的に消耗することがない。お金を増やすためにFXや仮想通貨といったリスクの高い投資に手を出す心配もないだろう。
また、長い人生のなかでは、引っ越しや入院といった突発的な支出が必要になることもある。これらの想定外の支出にも対応できるように、余裕をもって計画を立てておくといい。
僕のシミュレーションでは、100歳になったときに500万円+αを残すように計算している。このお金は、100歳まで残っていてもいいし、突発的な支出などに使ってもいい「予備費」として考えておけばいい。
ただ、お金を使い切る計画はネガティブに考えたほうがいいものの、投資するときは将来の利益を見込んでポジティブに行動することが大切だ。運用利回りを含まないネガティブな投資計画を立てると、当然、投資で得られる利益も計画に反映されない。そうなると投資本来の魅力が薄れて、積立投資を始めるメリットが感じられなくなってしまう。
だから、「いつまで」に「いくら」の資産を築けるというポジティブな投資目標を立てたうえで、そのお金の運用利回りを除いたネガティブな計画も立てておこう。
マサニー
資産35億円ニート
※本記事は『ズボラな人でもお金が増える 漫画 インデックス投資一択で億り人』(KADOKAWA)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
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