(※写真はイメージです/PIXTA)

普段、ちょっとしたことに違和感を覚えることもありますよね。経営コンサルタントの平野薫さんは、「そんなときに疑問を数字で解き明かすと日頃から数字で考える習慣が身に付き数字に強くなる」と言います。平野さんの著書『なぜコンビニでお金をおろさない人はお金持ちになれないのか?』(ダイヤモンド社)では、世の中にある身近な疑問の数々を解き明かしています。今回はその中から、お金の話をピックアップ。コンビニATMの利用について紹介します。

「手数料の掛からない銀行でお金をおろす」は本当にお得なのか

所得が伸び悩み、様々な物の値段が上がる昨今、節約志向が強まっています。しかし、節約したいがために、あまりにも非効率的な行動をしている人が世の中には多い気がしています。

 

例えば、私の友人は無駄な支出が大嫌いで、コンビニのATMでお金をおろすことに強い拒否反応を示します。どんなことがあっても時間内に口座のある銀行でしかお金をおろしません。時には往復1時間かけて口座のある銀行まで行ってお金をおろします。

 

私から見るととても信じられない行動です。なぜなら1時間かけて節約できるお金はたった110円です(セブン銀行のATMでは口座のある銀行・利用時間に応じて110円〜330円の手数料が発生)。

 

1時間という人生の貴重な時間を投資して得られる経済的な対価は110円しかありません。これは時給110円の仕事をするのと同じことを意味します。

 

ちなみにその友人に、往復1時間掛かる銀行でお金をおろす仕事があって、その報酬が110円だったらやる? と聞いたところ絶対にやらないと言われました。

 

「タイム・イズ・マネー」と言われる理由

「タイム・イズ・マネー」と昔から言われていますが、現代社会においては自分の持っている時間を切り売りすることで労働しお金を稼ぎます。適切な労働をすればもっと多くのお金を得ることができるかもしれないのに、少額の節約のために多大な時間を使っている人が世の中には多いと思います。

 

1円でも安い商品を求めて猛暑の中、複数のスーパーを自転車で回る主婦を見ると、そんな時間があるならスキルを磨いて自宅でできるパートでもすればいいのにとつい思ってしまいます。節約は麻薬みたいなもので、それが目的化し周りが見えなくなることもあります。

 

節約することが趣味であり、そのこと自体に喜びを感じるという方であれば全く問題ありません。

 

しかし、人生を豊かにする手段として節約をするのであれば、投資する時間と削減できるお金のバランスをしっかり考えるべきだと思います。毎日入念にチラシを見てスーパーを何軒も回り、わざわざ遠くにある銀行でお金をおろす……。

 

その結果、家族と会話をする時間が削られ、自分の趣味に使う時間もない……。更に言うとそういう人に限って、安いからといって商品を買いすぎダメにしてたりします(笑)。

 

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※本連載は、平野薫氏による著書『なぜコンビニでお金をおろさない人はお金持ちになれないのか?』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・再編集したものです。

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