恐ろしい…銀行員が「不動産を買いませんか?」と経営者に持ち掛ける、真のねらい【ベテランコンサルタントが解説】

恐ろしい…銀行員が「不動産を買いませんか?」と経営者に持ち掛ける、真のねらい【ベテランコンサルタントが解説】

不動産業者でもない銀行員が、なぜ不動産の購入を勧めるのか? 急に融資審査が厳しくなった理由は? 経営者が知りたい「銀行員の真意」をベテランのコンサルタントが解説します。※本連載は、川北英貴氏の著書『社長、この1冊で融資交渉が強くなります! 銀行員のそのひとことには理由がある』(すばる舎)より一部を抜粋・再編集したものです。

今までは融資を問題なく受けられていたのに?

「支店長が代わってから審査が厳しくなったんですよ」

 

前に比べ、融資の審査が厳しくなった。自社の業績や財務内容に特段、変化がなければ、これは支店長が代わったことが原因である可能性があります。実際に銀行員から「新しい支店長になってから審査が厳しくなったんですよ」と言われることもあります。

 

支店長はどのようなタイプか、日ごろから担当者に聞いておくとよいでしょう。「営業畑」なのか、「融資畑」なのか。

 

営業畑とは営業を重視するタイプです。支店長となるまでに行ってきた業務が営業中心であった人はこのタイプとなりやすいです。支店の業績を向上させる意欲が強く、積極的に融資を行っていきたいと考えています。

 

一方の融資畑とは、いかに貸し倒れを出さないかを重視するタイプ。支店長となるまでに行ってきた業務が融資係中心であった人は、このタイプとなりやすいです。このタイプの支店長だと、融資の審査は慎重になる傾向が強いです。

 

今までは融資を問題なく受けられていたのに、支店長が代わってから融資が出なくなった。これはよくあることです。自社の業績や財務内容が悪化したのならまだしも、そうでないのに支店長の交代によって融資が出なくなったのであれば、たまったものではありません。

 

企業としては次の2つの対策に取り組んでおきましょう。

 

1.新しい支店長と早く会い、自社のことを深く知ってもらう

前の支店長はあなたの会社のことを深く知っていても、新しい支店長はそうではありません。新しい支店長と早く会い、自社のことをアピールしたいところです。自社のことを深く知ってもらい、好印象を持ってもらえれば、審査に良い影響があるものです。

 

支店長交代時に自社にあいさつに来たら、支店長と次の面談を約束します。自社に来てもらい、店舗や工場などを見学してもらいながら、自社の行っている事業内容、商品やサービス、経営計画などを説明しましょう。

 

支店長交代時に自社にあいさつに来ていないのであれば、担当者に対し、支店長に一度あいさつしたいと頼んでみます。「店舗や工場などを見学してほしいから、自社に来てもらいたい」と、だめでもともとで言ってみるのもよいでしょう。

 

新しい決算書ができたときも良い機会です。「決算説明をしたい」と担当者に伝え、支店長との面談の機会をもらうようにします。その機会に決算書だけでなく、自社の事業内容や商品・サービス、経営計画などを説明するのです。

 

2.多くの銀行とつきあっておく

一つの銀行のみから融資を受けている状態は、選択肢がないので、支店長の交代で今まで出ていた融資が出なくなるという事態になりかねません。ふだんから多くの銀行から融資を受けておけば、一つの銀行で融資が出なくなっても他の銀行から融資を受けられる可能性があります。

 

銀行は、融資を出したことのない新規の会社よりも、今まで融資を行い問題なく返済されてきた会社のほうが、新たな融資を出しやすいもの。ふだんから多くの銀行で融資を受けて、返済実績をつけておきましょう。

 

 

《ポイント》

今まで融資を出してくれていた銀行も、支店長の交代により融資が出なくなることがある。新しい支店長に自社を深く知ってもらう、ふだんから多くの銀行で融資を受けておく、などが企業でとれる対策である。

 

 

川北 英貴
株式会社グラティチュード・トゥーユー 代表取締役

 

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※本連載は、川北英貴氏の著書『社長、この1冊で融資交渉が強くなります! 銀行員のそのひとことには理由がある』(すばる舎)より一部を抜粋・再編集したものです。

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