その銀行は、あなたの会社への融資に「消極的」
「しばらく融資は出ないです」
銀行員から「しばらく融資は出ないです」と言われている。この場合、その銀行はあなたの会社への融資に〈消極的な方針〉ということです。
ある会社が新しい決算書を提出したら、銀行ではそれをもとに〈信用格付〉をつける作業を行います。それととともに、その会社への〈融資方針〉を決めます。
この方針が融資の審査に大きく影響します。銀行員は担当の会社の信用格付や融資方針を頭に入れていて、その方針により担当先の会社に融資を営業していくかどうかも決めています。
融資に消極的な方針といっても、より具体的には〈新たな融資は行わない方針〉の場合もあれば、〈融資は行うものの最低限にとどめる方針〉の場合もあります。
「しばらく融資は出ないです」と言われているのであれば、新たな融資は行わない方針なのでしょう。
この場合、他の銀行ではどのような方針なのか、早急に確認しましょう。他の銀行の融資方針を確認するには、それぞれの銀行の担当者に、
「先日、新しい決算書をお渡ししましたが、
今期も融資を行ってもらえそうでしょうか?」
とまず聞いてみます。
ただ、担当の銀行員は融資できるものと思っていても、実際に審査を行うと、支店長や本部で審査が通らないこともよくあります。
早い時期に実際に融資を申し込んでみると、審査の結果がどうなるかで、それぞれの銀行の方針が見えてきます。
他の銀行も同じように「しばらく融資は出ないです」と言ってくる場合、もしくは、融資を申し込んでも融資が通らない場合で、既存の融資の返済負担が重いのであれば、返済が進むにつれて預金は減少し、やがては資金不足となります。
この場合、銀行へ交渉して既存の融資の返済を減額・猶予(リスケジュール)してもらうことを検討すべきでしょう。
《ポイント》
「しばらく融資は出ないです」と言われた場合、他の銀行ではどのような方針なのか早急に探るべき。他の銀行でも同様であった場合、既存の融資の返済負担が重ければ、預金は減少し、やがて資金不足となってしまう。それを防ぐため、銀行と交渉し、返済を減額・猶予してもらうことを検討する。