(※写真はイメージです/PIXTA)

2023年度の税制改正大綱により、相続税・贈与税に関する法律が大きく変わりました。改正後の相続税対策について、気をつけるべき点とは? 税理士法人ブライト相続・代表社員税理士の戸﨑貴之氏が解説していきます。

税制改正後も「暦年贈与を行った方がいい場合」がある?

税制改正後においては、金額は大きくなくとも確実に節税できるという点から『相続時精算課税制度』の活用が増えることが想定されます。

 

それでは、「今まで通り暦年贈与を行ったほうがいい」場合はどのような方に該当するのでしょうか。将来的に節税になる方を具体的に例示していきます。

 

●財産規模が2億円以上

 

暦年贈与は、少額を長期間に渡って多くの方にあげることによって節税効果を受けられる制度設計になっています。

 

そのため、財産金額が多い場合早めに渡しておく必要があります。

 

●相続人以外に贈与できる親族がいない/少ない

 

前述の通り、贈与を受け取る側の人数が多いほどその節税効果を受けることができます。そのため、贈与する相手の選択肢が少ない場合も早めに渡す必要があります。

 

●贈与を開始する年齢が60~70歳

 

暦年贈与は少額を長期間にわたって行うことで、より大きな節税効果を受けられる仕組みです。そのため、贈与を行う財産所有者の方が若ければ若いほど贈与による節税効果が期待できます。

 

税制改正後は条件によって異なりますが、暦年贈与による節税効果が生じるのがおおよそ8年後となります。そのため、80歳以上の方が税制改正後の暦年贈与を行った場合、90歳近くにならないと節税効果が期待できないため、ご相続発生日によっては相続財産に加算されてしまう可能性があります。そのため、贈与をスタートできるのが60~70歳の方に、暦年贈与による節税の恩恵を受ける可能性が高まります。

 

●財産に占める金融資産の割合が30%以上

 

所有財産の中で特に金融資産の割合が大きい方、例えば30%以上の場合には、生命保険金の非課税枠の活用や贈与を行える可能性があります。相続財産の大半が不動産である場合には節税の選択肢も限られますが、条件に該当する場合には暦年贈与が有力な選択になり得ます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。新設制度によってメリット・デメリットがもたらされますが、全体として相続税にとっては増税となる面が強いと考えます。制度変更にあたっては混乱しがちですが、改正内容を理解していただき、相続税や贈与税の節税にお役立ていただければ幸いです。

 

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戸﨑 貴之

税理士法人ブライト相続 代表社員税理士

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