(※写真はイメージです/PIXTA)

日本人は「勤勉な気質」と言われますが、それも相まってか過労死に至る事件が相次いで起こっています。本記事では、厚生労働省『令和5年 就労条件総合調査』などとともに日本の労働環境の実態や、改善の余地について考えていきます。

勤務間インターバル制度…「そもそも知らなかった」

「勤務間インターバル」制度とは、簡単に言うと始業時間を繰り下げ、1日の勤務終了後、翌日の出社までの間に一定時間以上の休息時間(インターバル)を設けることで、働く方の生活時間や睡眠時間を確保するものです。

 

17時終業の会社で、23時まで仕事をした場合。休息時間を11時間確保するため、本来なら翌日8時出社のところを、10時出社に変更する……という対応になります。

 

勤務間インターバル制度の導入状況別の企業割合をみると、「導入している」が6.0%(令和3年 調査5.8%)、「導入を予定又は検討している」が11.8%(同12.7%)、「導入予定はなく、検討もしていない」が81.5%(同80.4%)となっています。

 

なお勤務間インターバル制度を「導入予定はなく、検討もしていない」と回答した企業について、その理由を尋ねています。「超過勤務の機会が少なく、当該制度を導入する必要性を感じないため」「当該制度は知っている中でのその他の理由」といった回答があるなか、「当該制度を知らなかったため」と答えたのは全体の19.2%。

 

企業規模別に「知らなかった」の割合をみていくと、1,000人以上の企業「4.7%」、300~999人の企業「11.2%」、100~299人の企業「16.2%」、30~99人の企業「27.1%」となっており、規模の小さい会社ほど、そもそも存在を知らなかった実態が浮かび上がります。

 

働き続ける日本人。週休3日制度について大きく報道されることもありますが、それは「世にも珍しい事態が起きている」ことの裏返しともいえるでしょう。現況改善に向けた制度導入のため、まずは制度そのものの認知度を上げることが求められています。

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