本記事のポイント
・2024年米国利下げの織り込みは偏り大
・年央まで利下げ開始の目途が立たない場合、市場は動揺するだろう
・不透明要素はインフレ率の高止まりと低い失業率
2024年米国利下げの織り込みは偏り大
マーケットにとってリスクシナリオとは、現在のコンセンサスが裏切られることである。2024年のマーケットのコンセンサスは、米国が利下げに転じるというものだ。12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で参加者の政策金利見通し(ドットチャート)は2024年末が中央値で4.6%と、2024年内に0.25%の利下げが3回あることを示唆する結果となった。
市場の期待はさらにその上を行く。FedWatchによる金利先物市場の織り込みを見ると、4月から利下げが始まり、年末までに累計1.75%のFF金利低下を見込んでいる。1回0.25%ずつの利下げなら年7回、4月以降毎回のFOMCで利下げ実施という見方だ。いくらなんでも行き過ぎだと思う。
複数の媒体で述べたことだが、あまり金利先物市場の織り込みを市場全体のコンセンサスと捉えないほうが賢明である。12月のFOMCの金利見通しは上述のとおりだったが、それは筆者が本連載などで予想したとおりで、違和感はない。
予想と違ったのは市場の反応だ。株が買われて金利は下がり、それを受けて為替市場ではドル安・円高が進んだ。市場のFOMC前の織り込みは、年3回よりも多い利下げ回数(従ってより大幅な利下げ幅)だったはずだ。市場全体のコンセンサスがFedWatchのとおりならFOMCの結果には失望、もしくは織り込み済みで無反応となっても十分あり得るところだった。
しかし、市場は大きく反応した。つまり、FedWatchなどが予想のもとにしている米金利先物市場の見方は、あくまで一部の市場参加者(しかも金利先物市場というマイナーな市場の参加者)のものでしかなく、当然、偏りや限度があるということだ。
だから、2024年の利下げが、12月FOMCの示唆どおり、年3回の利下げとなっても、それは金利先物市場の過剰期待に沿わないだけで、それほど大きなインパクトはないだろう。
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