お金持ちは一体どんなことにお金を使っているのでしょうか? 立川健悟氏は著書『お金持ちは合理的』(すばる舎)のなかで「リスク対策にお金を使い資産を守る」と言っています。これはどういうことでしょうか? 具体的な説明を本書から一部抜粋して紹介していきます。

民間の生命保険、本当に不要ですか?

あるお金持ちに「一般の方たちは資産を増やすことばかり優先して、守りを固めない」と言われたことがあります。

 

お金持ちは「リスク対策」のスペシャリストです。リスク対策をしていなかったり不十分であったりすると、不測の事態によって多大な資産を失う可能性があるからです。

 

お金持ちと一般の方では資産規模が違うため、お金持ちのリスク対策をすべて真似する必要はありません。ここでは、一般の方でも取り入れられるものを紹介したいと思います。

 

ただし大前提として、リスク対策によって資産を大幅に減らしてしまったら本末転倒です。みなさんそれぞれが、自らの資産規模に応じて合理的に判断し、必要最低限と思われるものから順番にお金をかけていくようにしましょう。

 

《死亡リスク対策》

私がお金持ちから学んだ効果的なリスク対策のコツは、情報を押さえておく順番を間違えないことです。

 

たとえば“家族を守るための生命保険”について。いつ亡くなるかは誰にもわかりませんが、人は必ず亡くなります。

 

お金持ちは自分が死んだのち、多額の相続税によって遺族の資産が減ってしまうことをリスクと捉えています。その対策に、生命保険を効果的に活用しています。

 

一般の方では、相続税の支払いを心配することは少ないかもしれませんが、一方で考えておかなければならないのが、残された家族が生活していくために必要なお金です。

 

そこでまず押さえるべき情報は、民間の保険ではなく「国の制度」です。

 

たとえば、日本では本人が亡くなったとき、配偶者に対して公的年金から遺族年金が支給されます。子どもがいれば子どもの年齢に応じて、追加で支給されるお金もあります。

 

次に押さえるべき情報は、会社にある「死亡退職金」や「弔慰金」の制度です。どの範囲まで、いくらもらえるかを確認しておくとよいでしょう。

 

ここまで把握したうえで、改めて資産状況を確認し、家族を守るために必要なお金の手配が足りていなければ、ようやく民間の生命保険の出番なのです。

 

民間の保険についても、合理的に検討すべき順番があります。

 

まずは所属している会社で用意されている「グループ保険」、次に都道府県ごとに扱いが違う「共済」、最後に〇〇生命という冠の付いた「生命保険」を検討していきます。

 

「グループ保険」は、会社という団体として各保険会社に依頼しているため、ボリュームディスカウントが効いており、一般的に割安です。

 

注意点は、会社に所属していることが前提となるために、期間限定となるうえ、転職などキャリアチェンジのたびに全体の見直しが必要となることです。

 

次に「共済」です。営利目的ではなく、毎年決済を行い、集めた掛け金のうち使わなかったお金の一部は「割戻金」として還付を受けられることが特徴です。

 

多いときには50%近くが割り戻されることもあるため、掛け金の負担をかなり抑えることができます。

 

注意点は、年齢が上がると毎年の掛け金が高くなること、死亡時に遺族が受け取ることのできる額が500万円ほどで少ないこと、などです。

 

最後に民間の「生命保険」ですが、こちらは各社さまざまな商品を発売しているため、見極めが非常に難しくなっています。似たような保障内容の保険商品でも、会社ごとに細かい部分に違いがあるため、注意が必要です。

 

共済と比較すると、高額な保険金を受け取る契約を結べるため、ここまでに紹介した制度を活用したうえで、最後の穴埋めとして使うには効果的でしょう。

 

ただし、こういった“家族を守るための保険”は、あくまで家族を守るための資産が貯まるまでの「つなぎ」と考えておきましょう。

 

資産を貯めていずれ保険を卒業する、という意識を持っておくべきだと思います。

 

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お金持ちは合理的

お金持ちは合理的

立川 健悟

すばる舎

著者は、前職の不動産テック企業の営業パーソンとして、地主や物件オーナーなど多くの「お金持ち」や「超・富裕層」の人と接する経験をしてきた。 それ以前は「ザ・庶民」で、銀行残高が100円以下になったことすらあるが、…

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