お金持ちは一体どんなことにお金を使っているのでしょうか? ファイナンシャルプランナーの立川健悟氏は著書『お金持ちは合理的』(すばる舎)のなかで「知識にお金を使い、自分を磨いて美意識を高める」と言っています。これはどういうことでしょうか? 具体的な説明を本書から一部抜粋して紹介していきます。

本から知識を得て生活に活用する

「ブロックチェーン」「NFT」「メタバース」……これらの単語を私が耳にするのは、IT業界の人を除くと、ほぼお金持ちの方からです。

 

お金持ちのほとんどはITの知識が豊富で、生活にも積極的に取り入れています。ご高齢の方でも、多くは電子メールやSNSを利用し、決済や取引にもITをフル活用しています。

 

今の時代、最新テクノロジーを理解して上手に使いこなせないと、資産形成はできないと言っても過言ではありません。大切な資産を守り続けなければならないお金持ちにとって、最新の知識を身に付けることは、とても重要なのです。

 

あなたは、最新の知識やノウハウをどうやって仕入れていますか?

 

YouTube、ネット記事、オンラインサロンなどがありますが、お金持ちが好む媒体は、繰り返しますが圧倒的に「本」です。

 

本は発売日に購入します。「最新の知識を得る」という価値に加えて、本の内容について誰よりも早く周囲に発信や共有することで、「情報資産」に変えています。

 

加えて、私はお金持ちから、本から知識を取り入れるだけではなく、その知識を普段の生活の中で活用し、自分を磨くことが大切だと教えられました。

お金持ちが「美意識」を磨く理由

お金持ちと一般の方で、ギャップが大きいと感じている知識は「芸術」に関するものです。

 

私はグラフィックデザイナーをしていたので、普段から芸術に強い関心を持っていますが、お金持ちの関心は時に私を上回ります。なぜなのでしょうか?

 

「資産を増やして守るために、美意識を磨くんだよ」とあるお金持ちの方は話します。

 

現代は多くの人が情報処理の能力を持ち、誰でも簡単に情報を手に入れられるようになっています。そのため、優先的に情報が入ってくるお金持ちでも、情報格差による優位性を保つことは難しくなっています。そこで他者との差を生み出すのが「美意識」なのです。

 

現代は将来の予測が困難なVUCAの時代と呼ばれ、問題が複雑で、その解決も難しく、これまでの対策が機能しないことがあります。

 

VUCAとは、Volatility〈変動性〉、Uncertainty〈不確実性〉、Complexity〈複雑性〉、Ambiguity〈曖昧性〉の頭文字をとった言葉。

 

目まぐるしく変転する予測困難な状況を意味します。そうした状況では、全体を直感で捉える感性、想像力、構想力、すなわち「美意識」が求められているのです。

 

また、システムにルールが追い付かない問題や、最新のIT技術に法の整備が追い付かないこともあり、投資先をどこにするかなどの意思決定のクオリティを上げるためには、知識以上の判断基準が必要になることも少なくありません。

 

 

そんなときにお金持ちが判断基準にしているものが“美意識”、さらには“倫理観”です。直感的にバランスのよさを捉える力や、人としてのあるべき姿を描いておくことで、前例のないことに対して、失敗しにくい判断を続けているのです。

 

Googleが英国の人工知能開発企業であるディープマインドを買収した際、社内に人工知能の暴走を食い止めるための倫理委員会を設置したことは有名です。明文化された法律やルールがない中で成長を続けるためには、自分たちなりの美意識や倫理観を軸に判断することが必要な状況を示しています。

 

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お金持ちは合理的

お金持ちは合理的

立川 健悟

すばる舎

著者は、前職の不動産テック企業の営業パーソンとして、地主や物件オーナーなど多くの「お金持ち」や「超・富裕層」の人と接する経験をしてきた。 それ以前は「ザ・庶民」で、銀行残高が100円以下になったことすらあるが、…

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