「日本経済は衰退する」はウソ…「日本株」は今より“もっと”上昇する!? 「4つの株価指標」からわかるその理由【元JPモルガンのファンドマネージャーの分析】

「日本経済は衰退する」はウソ…「日本株」は今より“もっと”上昇する!? 「4つの株価指標」からわかるその理由【元JPモルガンのファンドマネージャーの分析】
(※写真はイメージです/PIXTA)

株式投資の世界では、日本の株式よりも、世界・アメリカの株式に投資するという人が増えています。しかし、JPモルガン・アセット・マネジメントでファンドマネージャーを務めた中山大輔氏は、むしろ今こそ「日本株式」に投資すべきといいます。どういうことか。中山氏の著書『日本株で30年 好成績を上げたファンドマネージャーが明かす逆転の思考法』(PHP研究所)から一部抜粋して解説します。

日本株の「上昇」はこれから本格化する

でも、その流れがようやく終わろうとしています。もっというと、これからの日本は、さらに投資環境が良くなっていくと思われます。

 

今までは、企業が得た利益の多くが内部留保に回されていたため、人や設備に対する投資が十分に行われず、かといって株主に対する還元も行われないため、企業の競争力と効率性は低下しました。

 

当然ながら「ROE」(自己資本利益率)も高くならないので、日本企業に投資しようという機運も高まりませんでした。

 

「ROE」は「Return On Equity」の略で、「自己資本利益率」といわれるように、企業が株主などから出資してもらった自己資本に対して、どのくらい高い収益を上げているのかをはかる数値です。

 

よく「日本企業は内部留保を貯め過ぎている」と批判されますが、まさにその通りで、過去に稼いだお金を投資に回さず、万が一の時のために会社内部に貯め込んでいると、株主資本がどんどん分厚くなる半面、収益を上げるための投資をしないことから収益力が低下するため、「ROE」は低下してしまいます。

 

また、「PBR」は「Price Book-value Ratio」の略で、株価を「1株あたり純資産」(BPS)で割って求められる数値です。

 

純資産とは、前述した自己資本も含め、その企業が持っている、自由に使えるお金すべてを包括した勘定科目のことで、会社を解散させた時、株主に対して配当される財産と言っても良いでしょう。

 

「PBR」は、この、純資産を発行済株式数で割って求められる「BPS」と「株価」を比較して算出されます。「PBR」が1倍未満の企業は、株価が会社の解散価値よりも低くしか評価されていないことになります。

 

日本の株式市場で、「PBR」(株価純資産倍率)1倍割れの企業が非常に多かったのは、企業価値、株主価値を上げようという努力が圧倒的に足りなかったことの帰結といえるでしょう。

 

多くの日本企業はこれまで、「ROE」と「PBR」が諸外国に比べて低い点が指摘され続けてきました。それだけ株式市場における企業価値の評価が低いままに、放置され続けてきたのです。

 

でも、それがいよいよ大きく変わってきました。

 

企業はガバナンスを一層重視し、配当をはじめとする株主還元を積極的に行い、資本政策を見直すことによって「ROE」が向上してきています。結果、日本の企業価値が徐々に向上し始めていて、それが累積的に積み上がるようになってきました。

 

また、東京証券取引所が、「PBR」が1倍を割り込んでいる上場企業に対して、その要因を分析させるのと同時に、改善するための具体策を開示するように求めたことも、株価上昇につながる可能性を高めています。

 

参考 日本取引所グループ公式サイト、日本証券業協会公式サイト
[図表2]株価指標(ROE、PBR、PER、BPS)の定義 参考 日本取引所グループ公式サイト、日本証券業協会公式サイト

 

とにかく、これまでの日本企業は、「PBR」の算出の基礎となる「BPS」(1株あたり純資産)の増え方が鈍く安定性にも課題があったので、大きく増える欧米企業に投資資金が回ってしまい、日本企業はなかなか投資対象とされませんでした。

 

この「BPS」の増え方が今後、欧米水準に接近するようになれば、いよいよ本格的に日本株投資が見直されるようになります。

 

 

中山 大輔

元JPモルガン・アセット・マネジメント ファンドマネジャー

 

注目のセミナー情報

【海外不動産】12月18日(木)開催
【モンゴル不動産セミナー】
坪単価70万円は東南アジアの半額!!
世界屈指レアアース産出国の都心で600万円台から購入可能な新築マンション

 

【事業投資】12月20日(土)開催
東京・門前仲町、誰もが知る「超大手ホテルグループ」1階に出店!
飲食店の「プチオーナー」になる…初心者も参加可能な、飲食店経営ビジネスの新しいカタチとは?

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

本メディア並びに本メディアの記事は、投資を促すことや、特定のサービスへの勧誘を目的としたものではございません。また、投資にはリスクがあります。投資はリスクを十分に考慮し、読者の判断で行ってください。なお、執筆者、製作者、株式会社幻冬舎ゴールドオンライン、幻冬舎グループは、本メディアの情報によって生じた一切の損害の責任を負いません。

日本株で30年 好成績を上げたファンドマネージャーが明かす逆転の思考法

日本株で30年 好成績を上げたファンドマネージャーが明かす逆転の思考法

中山 大輔

PHP研究所

ついに追い風に乗る、日本株投資! 過去30年、厳冬の日本株マーケットにおいて、アクティブファンドで好成績を上げてきたファンドマネジャーが、その投資手法を初めて明かす。 JPモルガン・アセット・マネジメントの人気日本…

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録