不動産投資関連の専門誌が提供する役立つ情報
新聞、雑誌、WEBマガジン等に掲載されている不動産・不動産投資関連の記事も重要な情報源になるでしょう。
専門の媒体としては、日経BP社の「日経不動産マーケット情報」がお勧めです。事業用・投資用不動産(オフィスビル、店舗ビル、物流施設、賃貸マンションなど)について、売買の実取引情報や賃料情報、企業の移転情報を読者限定Webサイトと月刊の情報誌で提供しています。
また、綜合ユニコム社発行の『月刊プロパティマネジメント』も参考になります。「日経不動産マーケット情報」が不動産・不動産業界を幅広く取り扱っているのに比べると、同誌は、私募ファンドやリートなど不動産証券化事業を特集することが多く、不動産ファンド業界の業界誌的な役割を果たしているといえるかもしれません。
不動産ファンドビジネスを中心に取り扱っている『不動産ファンドレビュー』も参考になるかもしれません。
ちなみに「日経不動産マーケット情報」『月刊プロパティマネジメント』のいずれも、不動産ビジネス、不動産投資関連のセミナーやシンポジウムなどを折に触れて催しています。そうしたセミナー等に参加してみるのも情報収集に役立つかもしれません。
「投資戦略」に強みがないAM会社は避けるのが無難
さらに、ファンドを運営しているAM会社に対して、必要な情報をリクエストするという方法もあります。
AM会社はそれぞれ、独自の投資戦略があって投資しています。たとえば、筆者の会社の場合であれば、現在は生活密着型の商業施設に重点的な投資を行っています。
これまで、特に地方では週末に大型ショッピングセンターに自動車で行ってまとめ買いする消費スタイルが主流でした。しかし、70歳を過ぎると免許を持っていても車に乗らず、日常の買い物は歩いて行ける範囲の店ですませる人が多くなります。団塊世代が今後10年で75歳になっていくことを考えれば、こうした消費行動の変化はより顕著になっていくはずであり、住宅地に近接した商業施設へのニーズはますます高まっていくに違いありません。
また、筆者の会社では、こうした商業施設やホテルなどのオペレーショナルアセットによる資産運用がクラウドファンディングには最適であると考えています。
オペレーショナルアセットでは賃貸借の契約期間を10年、20年と十年単位で結ぶことが一般的です。不動産ファンド投資の初心者が多いクラウドファンディングでは、リスクを極力避けることが何よりも大切になります。キャッシュフローを長期間にわたり安定した形で確保できるオペレーショナルアセットでファンドを組成すれば、リスクを最大限に限定することが可能となるからです。
このように、「なぜその不動産を購入したのか」、あるいは「今後、どのような物件に投資する計画を立てているのか」などの具体的な情報をAM会社から得ることができれば、投資のための判断材料や手掛かりが増え、ファンド選びをより的確に行うことが可能となるはずです。
逆にいえば、質問をしても満足に答えられないようなAM会社は、何の戦略も持たずに、行き当たりばったりで不動産を購入しているおそれがあります。そのようなAM会社の組成するファンドは避けるのが無難かもしれません。