不動産証券化協会実施アンケートの回答者数は63社
前回の続きです。また、不動産業界に関するリサーチを継続的に行っているシンクタンク等のレポートも活用できるでしょう。
主なものとしては、①日本不動産研究所の「不動産投資家調査」、②AERS「不動産私募ファンド実態調査」、③三井住友基礎研究所「不動産投資に関する調査」、④CBRE「不動産投資に関するアンケート」などがあげられます。
それぞれの概略は以下の通りです。
①日本不動産研究所の「不動産投資家調査」
日本不動産研究所は不動産に関する日本最大の総合調査研究機関であり、不動産の価格等に関する調査・研究を行っています。
同研究所では、アセット・マネージャー、アレンジャー、開発業(デベロッパー)、生命保険、商業銀行・レンダー、投資銀行、年金基金、不動産賃貸などに対して、期待利回りを中心とした投資スタンスや今後の賃料見通しなどを、定期的にアンケートしています。その結果が「不動産投資家調査」として公表されています。
②不動産証券化協会(AERS)「不動産私募ファンド実態調査」
不動産証券化協会(AERS)が協会会員を対象に行っている私募ファンドに関するアンケート調査です。ちなみに、最新の調査(「第10回会員対象不動産私募ファンド実態調査(2014年12月末時点)」)における運用資産規模別の回答者数は以下のような数字となっています。
・500億円未満 20社
・500億円~1000億円未満 11社
・1000億円~3000億円未満 22社
・3000億円超 10社
銀行系の大手シンクタンクもレポートを提供
③三井住友トラスト基礎研究所「不動産投資に関する調査」
大手シンクタンクの三井住友トラストが毎年、不動産投資家を対象に行っているアンケート調査です。2015年調査のアンケート送付先は、年金基金が502、その他機関投資家が160となっています。その他機関投資家の内訳は、銀行(都市銀行・地方銀行・信託銀行等)及び保険会社(生損保)になります。
④CBRE「不動産投資に関するアンケート」
CBREは世界最大規模の事業用不動産サービス提供会社です。同社は定期に不動産投資家を対象にアンケート調査を行っており「不動産投資に関するアンケート」として、その結果を公表しています。回答者の属性は、アレンジャー、レンダー(シニアを主とする)、レンダー(メザニンを主とする)、デベロッパー・不動産賃貸、アセットマネージャー(リートを主とする)、アセットマネージャー(リート以外を主とする)、エクイティ投資家などになります。
これらの調査結果を通じて、不動産ファンドや投資家の動向を間接的に知ることが可能となるでしょう。