日本で「キャッシュレス」が進まない理由
キャッシュレスとは、現金以外の決済手段をさします。クレジットカード、Suicaなどの電子マネー、PayPayなどのQRコード決済アプリがすでに活用されています。
キャッシュレス化は「IT社会」「AI社会」への移行に避けて通れません。人口減少社会の日本で、生産性向上や社会の効率化は必須の課題です。キャッシュレス化の進んだ海外からの訪日客は、現金を持たない人もいます。
また、キャッシュレスは、コロナ等の感染防止にも有効です。さらに、現金管理の店舗ほど、従業員のレジ精算業務などの負担も重くなります。ただし、日本のキャッシュレス化は遅れています。
その原因は、現金信仰が根強いことだけでなく、ATM網のインフラが普及していること、また、プリペイドカードや公共料金の口座引き落としなど多くの便利なサービスが普及していることにあります。多くの人たちにキャッシュレスの利便性を理解してもらえるかが、決済比率を上げるポイントです。
むしろ、このままでは、途上国のほうがIT化、キャッシュレス化は一気に進むことになるでしょう。
キャッシュレス決済業者が乱立の日本では、業者同士の競争も熾烈です。
2018年初頭に総額ベースで18%台だった日本のキャッシュレス決済比率は、2021年に32.5%まで上昇しました。政府は、2025年の大阪万博までに40%、将来的には世界最高水準の80%台を目指しています([図表1]参照)。
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