(※写真はイメージです/PIXTA)

「下流老人」「老後破産」…なんとも辛い言葉が多くなった昨今。老後に必要なお金、貯められていますか? 厚生労働省『令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』などとともにみていきます。

定年後に「困窮する人」の決定的特徴

「現役時代、豊かに暮らしていた分、本音を言えば、今より狭い家には移り住みたくないんです。節制なんてのも、特に気にしたことはなかった(妻は違うかもしれませんが)。よい食事を摂りたいし、美味しい酒だって毎日呑みたい。今後に備えて我慢が必要なのはわかりますが、消費を抑えることの難しさを感じています」

 

実は下野さんのような例は、めずらしくありません。専門家も「お金のコントロール」の難しさを指摘しています。

 

“明暗を分けるもっと大きなポイントは、お金を計画的にコントロールしているか否かにあるといえます。

 

意外なことに、収入が少なくても生活を切り詰めながらやりくりできていた人は、定年後もあまり困窮しません。逆に、現役時代に年収が1,000万円を超え、生活が派手だった人ほど貧乏定年になりやすいのです。

 

彼らは節約とは無縁の暮らしを送ってきました。定年後に収入がガクンと下がっても、おいそれとはギャップに対応できません。いままでと同じようにお金を使いまくっていたら、毎月大赤字になって当然です。”長尾義弘・中島典子『金持ち定年、貧乏定年』

 

下野さん、年金の受給は65歳からです。その金額にも不安を感じていると話します。

 

「年金もらえないってニュース多いですし、まあ自分も期待していないです。夫婦合わせて20万円ぐらいですかね」

 

実際、年金受給額の平均値はいくらほどなのでしょうか。厚生労働省年金局発表『令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』により、現在の受給状況をみていくと、公的年金受給者数(延人数)は、令和3年度末現在で7,698万人。厚生年金保険(第1号)受給者の平均年金月額は、老齢年金が14万5,665円です。一方、国民年金受給者の老齢年金の平均年金月額は、5万6,000円となっています。

 

「……本当は、もう一切労働する気はなかったんです。今まで馬車馬みたいに働いてきましたから、十分だと思ってたんです。でも、人生そうもうまくいかないですね。再就職を考えています。給料は前より少ないでしょうけど、不動産業界にツテはある。身体はまだ動きますし、どうにかして雇ってもらおうかと」

 

「しんどいですが、仕方ないです。生活レベルを下げたくない。それなら、働くしかないでしょう」

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