問われる「後期高齢者医療制度の合理性」
しかし、そうなると、後期高齢者医療制度と74歳以下の世代を対象とする健康保険制度とを別々の制度としていることの合理性が問われることになります。
これまでは、74歳以下の世代の健康保険制度から75歳以上の世代の後期高齢者医療制度へ「支援金」が支払われるという関係のみでした。現役世代が75歳以上の世代に財政支援を行う形がとられてきたのです。
しかし、今後は、逆に、後期高齢者医療制度から健康保険制度への財政支援が行われることになります。
つまり、実質的にみると、支援金が「還流」する構造が発生するということです。
もともと、2008年に後期高齢者医療制度を公的医療保険制度から独立させた趣旨は、75歳以降の世代の医療費の負担を現役世代よりも軽くし、かつ、現役世代に財政支援してもらうというものでした。
ところが、その後、出生数の減少・少子化が予想を上回るペースで進行しました。このままでは、現役世代の負担が重くなっていくことは避けられません。そんななかで、今度は、逆に後期高齢者が現役世代に財政支援を行うというしくみが設けられようとしています。
しかし、そうなると、医療制度を74歳以下の「健康保険制度」と75歳以上の「後期高齢者医療制度」に分け、前者から後者への財政支援を行うという現行の公的医療保険制度の前提が揺らぐことになります。
世代間の負担の公平の問題は、今後、少子化・高齢化が進行するにつれ、ますます深刻になっていくことが想定されます。後期高齢者医療制度と健康保険制度の関係やそれぞれのあり方について、それぞれの世代にとって納得感のある制度設計が求められています。
\5月2日(土)-3日(日)限定配信/
「名義預金」判定のポイント
ゴールドオンライン・エクスクルーシブ倶楽部が
主催する「資産家」のためのセミナー・イベント
【4月22日開催】
資産規模5億円以上の方のための
「資産管理会社」のつくり方・つかい方<第1回/総論>
【4月23日開催】
相続対策をイチから学びたい方のための
今すぐできる「相続税対策」<税制改正対応版>
【4月23日開催】
サブリース業者がさらにサブリース業者に転借していた…
こんな時、サブリース契約解除が認められるのか?
「サブリース契約解除」に関する最近の裁判例と問題点
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
