【プロジェクトマネージャー、戦慄】最悪は訴訟リスクも…複数企業参加のプロジェクト、プロマネが真っ先に行うべき「聞けば当たり前の行動」とは?

【プロジェクトマネージャー、戦慄】最悪は訴訟リスクも…複数企業参加のプロジェクト、プロマネが真っ先に行うべき「聞けば当たり前の行動」とは?
(画像はイメージです/PIXTA)

プロジェクトの現場はいつも「想定外」「トラブル」と隣り合わせです。複数組織が参加するプロジェクトの場合、最初に杜撰な対応をすると、後々訴訟になるリスクもあることから、細心の注意が必要です。孫正義氏のもとで〈プロマネ〉を務めた三木雄信氏が解説します。※本連載は、三木雄信氏の書籍『孫社長のプロジェクトを最短で達成した 仕事が速いチームのすごい仕組み』(PHP新書)より一部を抜粋・再編集したものです。

プロジェクトに参加する組織が多いほど「言葉の定義」が重要に

 Q 

所属部署の違うメンバー同士、あるいはメンバーに社外の人がいる時、お互いの話がかみ合わない場合どうすればいい?

 

 A 

まず「言葉の定義」を決めましょう。特に「納品」や「納期」の定義は必ず確認してください。

 

所属する部門や組織が違えば、使う言葉も異なります。

 

それが原因でまったくかみ合わない不毛な議論が続いたり、誤解が生じてミスやトラブルにつながる危険性もあります。

 

よって、言葉の定義を早い段階で確認することが必要です。

 

私が「Yahoo!BB」のプロマネをしていた時も、こんなことがありました。

 

ADSL事業に参入するには、NTTの回線を借りてネットワークを構築する必要があります。それを担当していたのが、シスコシステムズときんでんから出向してきたメンバーでした。

 

ところが、この2社が使っている用語や書式がバラバラだったのです。

 

例えば図面を作る際、シスコはNTTの局舎を「◎」で表すのに、きんでんは「■」で記入したり、ある設備機器をシスコは英語の略称で書き込むのに、きんでんは日本語を使ったりしていました。

 

そのため、お互いが作成した図面が何を指すのかわからず、現場の作業が進まないというトラブルが起きていました。

 

それを知った私は、すぐに言語の共通化に着手しました。

 

「局舎は『■』で統一する」「機器の名称は英語で統一する」というように、言語の定義づけをしたのです。

 

その結果、双方のスタッフのコミュニケーションも円滑になり、図面の作成や現場の作業も加速度的に進むようになりました。

 

このケースはどちらかといえば専門用語に近い言葉ですが、なかにはもっと一般的な言葉でさえ、まったく異なる意味で使われることがあります。

 

なかでも「納品」や「納期」という言葉の定義には特に注意が必要です。

 

この言葉を、「システムをパッケージとして納品するまで」と定義している会社もあれば、「パッケージを納入後、サポートサービスが終了するまで」と定義している会社もあります。

 

これを最初の時点できちんと定義して、認識を共通にしておかないと、後でとんでもないトラブルになってしまいます。場合によっては、訴訟にまでなりかねません。

 

プロジェクトに参加する組織が多いほど、プロマネは「言葉の定義」に気を配ることが非常に重要です。

 

 

三木 雄信
トライズ株式会社 代表取締役社長

※本連載は、三木雄信氏の書籍『孫社長のプロジェクトを最短で達成した 仕事が速いチームのすごい仕組み』(PHP新書)より一部を抜粋・再編集したものです。

孫社長のプロジェクトを最短で達成した 仕事が速いチームのすごい仕組み

孫社長のプロジェクトを最短で達成した 仕事が速いチームのすごい仕組み

三木 雄信

PHP研究所

ミスによる手戻り、上層部からの横やり、経営陣のちゃぶ台返し――。プロジェクトの現場は、いつもモメ事だらけ! それでも、なんとか目標を達成しようとリーダーが鼓舞し、メンバーは定期的にデスマーチを繰り返す…。あまつ…

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