変容する「NHKの存在意義」と問われる受信料制度の正当性
結局、NHKの番組をインターネットで視聴する場合については、事実上、他のサブスクリプションサービスとほぼ同じ扱いにせざるをえないということです。
このことは、インターネットの動画配信の分野において、NHKはテレビ放送におけるような特別な位置付けを獲得するのが困難だということを意味します。
今日、インターネットを通じた動画コンテンツ視聴が急速に拡大してきており、テレビ放送の役割が相対的に低下してきているといわざるをえません。そのなかで、今後、NHKの役割も変容していくことは間違いありません。「テレビ放送」という限定された分野で、NHKのみが他の事業者と異なる特別の位置づけを与えられていることの是非、ひいては受信料制度自体の正当性が議論されることになるのは避けられません。
最高裁判所はNHKの受信料制度について合憲との判断を示していますが(最判平成29年(2017年)12月6日)、その根拠はNHKの公共放送局としての「公共性」「非営利性」「独立性」「公正性」にあります。そのような特殊性ゆえに、NHKには法律上の特別な地位が正当化されているということです。
今後も、将来にわたって「公共放送」としての存在意義を見出していけるのか、NHKは正念場を迎えているといえそうです。
荒川 香遥
弁護士法人ダーウィン法律事務所 代表
弁護士
\1月10日(土)-12日(月)限定配信/
税務調査を録音することはできるか?
相続税の「税務調査」の実態と対処方法
カメハメハ倶楽部セミナー・イベント
【1/7開催】
高市政権、トランプ2.0、日銀政策、AIバブル…
2026年「日本経済と株式市場」の展望
【1/8開催】地主の資産防衛戦略
「収益は地主本人に」「土地は子へ」渡す仕組み…
権利の異なる2つの受益権をもつ「受益権複層化信託」の活用術
【1/8開催】
金融資産1億円以上の方のための
「本来あるべき資産運用」
【1/10-12開催】
「タックスヘイブン」を使って
節税・秘匿性確保はできるのか?
「海外法人」の設立法・活用法
【1/10-12開催】
遺言はどう書く?どう読む?
弁護士が解説する「遺言」セミナー<実務編>
