<前回記事>街中で訪日外国人が困っている…助けたいときは「この3語」を言えたらOK【ネイティブにスッと伝わる英語表現】
「よくがんばった!」⇒〈Way to go!〉
【日本人が言いがちな英語】
「Good job!」
→間違ってはいないけれど、時と場合によってはぎこちなく、使い方によっては場違いに感じられる。
【ネイティブ流イングリッシュ】
「Way to go!」
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「よくがんばった!」とか「いいぞ!」と人を褒めるとき、ネイティブはよく〈Way to go!〉と言います。
◆(That’s the)Way to go!
後半の部分だけを言うのが一般的です。アメリカ人はこれを〔ウェイルゴゥ〕のように発音します。Good job!(よくやった!)/Nice work!(素晴らしいできばえだ!)/Good for you!(よかったよ!)の意味に近いカジュアルな言いまわしです。
もともとスポーツでゴールを決めたり、見事なショットを打ったりしたときの掛け声(「よし!/その調子!」にあたる表現)として用いられていましたが、現在では分野を問わず、努力して目標を達成した人に対する賞賛の言葉として広く使われています。
ところがこの表現、私の知る限り、日本の学校の教科書にはまったく出てこない。どうしたわけでしょう。「実用英語」を重視するのだったら、〈Way to go!〉のような日常語をまず覚えたほうがいいと思います。
A:I just scored three goals. I’ve scored 99 goals in all.(3得点決めたよ。これで計99ゴールだ)
B:That’s great. Way to go!(そいつはすごい。がんばったね)
A:Thank you.(ありがとう)
*in all「全部で/合計で」
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大きなことを達成した人に「おめでとう!」や「立派なものだ!」と称えるときにも用いられます。
A:I just got into Yale.(イェールに受かったよ)
B:Way to go, Tim. I’m very proud of you.(おめでとう、ティム。ほんとに誇りに思うよ)
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また、なにかヘマをしてしまった人に対して、皮肉っぽく「やってくれたね、もう」とあきれ顔で言うこともあります。
A:Woops. I emailed everyone the wrong day.(おっと。みんなに間違った日をメールしちゃった)
B:What!?(何!?)
A:No wonder no one is here.(どうりで誰も来ないわけだ)
B:Way to go, Fred.(やってくれたね、フレド)
*No wonder ...「どうりで…」
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「まいったなあ!」⇒〈What a bummer!〉
【日本人が言いがちな英語】
「How disappointing!」
→間違ってはいないけれど、時と場合によってはぎこちなく、使い方によっては場違いに感じられる。
【ネイティブ流イングリッシュ】
「What a bummer!」
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学校英語では、「残念だなあ/困ったなあ」を次のように教えています。おそらく、みなさんもご存じでしょう。
◆That’s too bad.
◆That’s disappointing.
日常会話ではたいへんよく使われているのに、学校で習わない単語の筆頭が“bummer” でしょうね。もちろん、私もよく使います。映画やドラマでもよく耳にするはずですが、中学や高校の教科書では見たことがありません。
◆That party was a real bummer.(パーティは残念だったね)
*=That party was disappointing.
◆ What? I have to work this weekend!? Bummer!(何? 週末も仕事しないといけないの!? まったくもう!)
“bummer”は「不愉快なこと/失望させるもの」という意味で、〔バマ〕と発音します。あのbum(お尻)とは関係なく、ドイツ語のbummler(怠け者/ぐうたら)に由来する単語です。
不愉快なことや困ったことがあると、ネイティブはあきれた表情で次のようにつぶやきます。
◆Bummer!
◆That’s a bummer.
◆What a bummer!
最後の〈What a bummer!〉は、〔ワラ・バマ〕のように発音します。
さて、これらの訳語を日本語であれこれ考えてみたのですが、「もう、がっかりだ」「そいつはたいへんだ」「散々だ」「まったくもう!」「ヘコむなあ!」「まいった!」あたりに対応するように思われます。
A:We can’t go there. The restaurant is closed today.(行ってもむだよ。そのレストラン、きょうは休みなの)
B:That’s a bummer.(がっかり)
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相手に同情して用いることもあります。
A:I lost my wallet.(財布をなくしちゃった)
B:Bummer! I’ll help you find it.(それはたいへん! 探すのを手伝ってあげる)
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とはいえ、“bummer”はあくまでもカジュアルな表現であることをお忘れなく。
次のように、あきれて言うこともあります。
A:I didn’t get a TOEIC score of above 300.(TOEICで300点も超えられなかったんだ)
B:I just can’t believe it. What a bummer!(ウソでしょ。まいったね!)
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キャサリン・A・クラフト〈Kathryn A. Craft〉
アメリカ・ミシガン州で生まれ、オハイオ州で育つ。ボーリング・グリーン州立大卒。1985年、南山大学の交換留学生として来日。現在、オンラインマガジン『ET PEOPLE!』を発行するかたわら、通訳、翻訳家、英語講師としても活躍。
主な著書に『日本人が言えそうで言えない英語表現650』(青春出版社)、『朝から晩までつぶやく英語表現200』『そのまま仕事で使える英語表現189』(いずれもちくま新書)などがある。
里中 哲彦
河合塾教育研究開発本部研究員。著書に『そもそも英語ってなに?』(現代書館)、『英語ミステイクの底力』(プレイス)、『英文法の魅力』(中公新書)など多数。
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