デモンストレーション車ではない…実戦用に配備した2号車
デモンストレーション車を改良して「実戦向きの内偵専用車」を作れとの指示がおりたのが1990年。筆者と会計課の係長と日産自動車の担当者で、1年かけて作り上げた。とはいえ、筆者の役目は実戦部隊の内偵班から装備の要望をとりまとめ、日産に伝えることだけだ。
2号車のベース車両は長時間の張り込みに適した車内空間と、都内の狭い道路でもなるべく邪魔にならない車との相反する要求に応えるため、比較的小型のワンボックスに決め、車体は汎用で目立たないように最も売れているスカイブルーを選んだ。
予算の大半を「目」となる監視装置にあて、カメラと監視ビデオを搭載して360度撮影可能にし、遠方からでも監視できるように200mの望遠機能を持たせた。
映像をプリントすればターゲットの顔写真を配布でき、張り込みに重宝した。また、店の入り口を長時間撮影すれば入店客をカウントすることもできる。今では当たり前のカーナビや携帯電話も搭載していた。
一方、要望があったものの、やむを得ず却下された機能もある。まず内偵班から是非にと要望された盗聴器は、法律の壁で却下された。また、夜間の張り込みに必要と要望されたナイトスコープは、予算によって却下された。
そして、最も力を注いだのが快適な車内の確保だ。長時間の張り込みで困るのが真夏の車内。夜中にエンジンをかけたままで張り込みは出来ない。
冬はジャンバーを着込んでホカロンで寒さを防げるが、夏はそうはいかない。トラックの大型バッテリーを搭載し、エンジンを止めても冷房が使えるようにした。充電はプラグインで簡単にでき、現在のEV車の原型になった。
秘密兵器として積んだ折りたたみ式自転車。会計課は「こんなもの、使うの?」と聞いてきたが、ターゲットが自転車で現れた時にスーツを着て革靴では追跡できない。そんな時、自転車は重宝する。千載一遇のチャンスを逃さないための経験だ。
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