定年後の給付金、思わぬ落とし穴に注意!
高年齢雇用継続給付金を受給することで、定年後の収入減はある程度カバーできる。ただし、賃金が75%未満に低下した場合であっても、各月の給与が支給限度額を上回る場合には受給対象外となるのだ(2023年9月時点の支給限度額は37万452円)。
また、注意が必要なのが給付金に加えて年金を受給する場合だ。給付金を含めた給与と年金額の合計額によっては年金額に調整が入り、もらえる年金額がカットされるケースがある。
【ポイント2】60歳時点の賃金の70%ほどキープ可能…収入が下がるほど給付率UP!
給与が大きく減るほど、高年齢雇用継続給付金の給付率は増加する。
賃金の低下率 = 60歳以降の賃金 ÷ 60歳到達時の賃金 × 100
高年齢雇用継続給付金の給付額 = 60歳以降の賃金 × 給付率
〈ここもCHECK!〉
年金+給付金のダブル受給で損するケースも
65歳未満で特別支給の老齢厚生年金を受給し、高年齢雇用継続給付金ももらう場合は注意が必要だ。高年齢雇用継続給付金の支給率が高いと、年金額の調整が入ることがあり、カット率は最大6%ほど。また、給与と年金の合計額が48万円を超える場合は在職老齢年金の調整も入ることを念頭に置いておこう。
要点まとめ
□ 定年後の収入減をサポートする給付金には2種類ある
□ 給付金は65歳まで支給され、給付率は賃金低下率に応じて変化する
□ 最大で60歳以降の賃金の15%の給付金が給付される
頼藤 太希
株式会社Money&You
代表取締役