社長「高級外車スポーツカーは経費」…主張が税務署に〈認められた〉ワケ【税理士が解説】

社長「高級外車スポーツカーは経費」…主張が税務署に〈認められた〉ワケ【税理士が解説】

税務調査では、高級車の経費処理を巡ってトラブルが生じるケースがあります。社用車として利用していても、高級車は事業内容や社会通念上、個人の趣味の範囲内とみなされ、経費計上を認められないケースも少なくありません。本記事では、税理士の伊藤俊一氏による著書『税務署を納得させるエビデンス 決定的証拠の集め方』シリーズ(ぎょうせい)より、高級車の経費計上が認められた事例をもとに、高級車を経費計上するために用意すべき証拠について、同氏が解説します。

必要経費の「50%ルール」とは?

支出のうち「50%以上」が業務上必要であれば、具体的な割合を求めなくても必要経費に

■必要経費における「50%ルール」

所得税基本通達45-2(業務の遂行上必要な部分)令第96条第1号に規定する「主たる部分が不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の遂行上必要」であるかどうかは、その支出する金額のうち当該業務の遂行上必要な部分が50%を超えるかどうかにより判定するものとする。

 

ただし、当該必要な部分の金額が50%以下であっても、その必要である部分を明らかに区分することができる場合には、当該必要である部分に相当する金額を必要経費に算入して差し支えない

 

ここにいう施行令とは、下記です。

 

所得税法施行令第96条(家事関連費)法第45条第1項第1号(必要経費とされない家事関連費)に規定する政令で定める経費は、次に掲げる経費以外の経費とする。

 

一 家事上の経費に関連する経費の主たる部分が不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる場合における当該部分に相当する経費

 

施行令は、家事関連費のうち必要経費にできる部分は、①業務の遂行上必要であることかつ、②必要経費と家事費との区分が客観的に明確に区分できるものであり、この②の部分において、「業務の遂行上必要な部分が特定できない場合に限り、いわゆる50%ルールの適用がある」と通達で規定しています。

 

本通達の逐条解説には、次のような記述があります。

 

「令第96条では、第1号で「主たる部分が業務の遂行上必要」であることを条件としている一方、第2号では、青色申告者に限って、「主たる部分」という制約を除外しているが、主たる部分が業務の遂行上必要といえないとしても、必要部分が区分できる場合には白色申告者だからといって必要経費算入を認めないとするのは不合理となるから、本通達は、実際上は、白色申告者についても青色申告者と同様の扱いを受けることができることとしたものである。」

 

結論として青色申告、白色申告を問わず、必要経費判定は定量的割合だけで判断できないということになります。

 

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税務署を納得させるエビデンス 決定的証拠の集め方 1個人編

税務署を納得させるエビデンス 決定的証拠の集め方 1個人編

伊藤 俊一

ぎょうせい

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