(※写真はイメージです/PIXTA)

生命保険に加入している方のもとへ、例年、10月に生命保険会社から「控除証明書」が郵送されます。年末調整・確定申告のときに「生命保険料控除」の申告をするために必要な書類ですが、加入中の保険の重要事項が記載されており、無駄な保険に入っていないか等の見直しをするのによい機会でもあります。そこで、本記事では、「生命保険」のチェックポイントについて解説します。

◆終身保険・養老保険|昔の保険は「お宝保険」だが、近年は積立効率低下

「終身保険」「養老保険」は、掛け捨てではなく、「貯蓄」の機能もある保険です。

 

終身保険は、保障が一生涯続く保険です。保険料を払い込む期間が「10年」「60歳まで」など決まっています。そして、払込期間満了したあと、適切なタイミングで解約すれば、保険料総額より多い「解約返戻金」を受け取れるしくみになっています。解約せずに置いておくほど、解約返戻金の額は大きくなっていきます。

 

これに対し、養老保険は、満期があり、満期前に亡くなった場合には「死亡保険金」を受け取れて、満期になったら「満期保険金」を受け取れます。数年前に「かんぽ生命」で組織的かつ悪質な不正が行われ話題になりましたが、関係したのは主にこの養老保険です。

 

いずれも、収入保障保険・定期保険に比べると保険料がきわめて割高なので、生命保険としての役割は中途半端といわざるを得ません。また、貯蓄の機能についても、近年は超低金利のせいで弱まっており、中途半端といわざるを得ません(ただし、「外貨建て」「変額」等の保険の一部に例外もあります)。

 

まず、保険の機能については、数百万円の保険金を設定するために保険料が月1万円を超えてしまうこともざらにあります。数百万円では家族の生活費等をカバーするには到底足りないことが多いです。せいぜい整理費用・葬式代・お墓代を準備し、「ついでに」貯蓄もそこそこできたら、という保険商品です。

 

その貯蓄の機能も、超低金利の今日では、ごく一部の特殊な商品を除いてそれほど期待できません。特に養老保険は、満期まで加入すると保険料総額が保険金の額を超えてしまうことも多くなっています。

 

◆定期付き終身保険|取扱注意、「転換」にご用心

「定期付き終身保険」は、大手生命保険会社がよく販売している「セット商品」です。保険金額が小さな「終身保険」に、特約として「定期保険」や「医療保険」等がくっついています。若いうちは保険料が安く済みますが、「定期保険」や「医療保険」等の特約は「5年更新」や「10年更新」で、更新ごとに保険料が大きく値上がりしていきます。

 

組み方が非常に難しく、保険会社の営業担当者でも適切に組めていないケースが散見されます。また、年を取ってから見直しをする場合にも選択肢が限られているという難点があります。

 

なお、生命保険業界で、定期付き終身保険について問題視されているのが「転換」という手法です。これは、「終身保険」で貯まったお金を使って、同じ保険会社の新しい「定期付き終身保険」の商品に入り直すものです。「古い保険の下取り」などとも呼ばれます。既に貯まったお金が新しい保険の保険料に充当されます。

 

見かけ上、保険料が安くなってお得のように見えますが、まったく得しません。これまで貯まったお金を新しい保険の高額な保険料に充当しているだけです。もしも保険会社の担当者から「転換」をすすめられたら要注意です。

 

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